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人生いろは坂

マイナス金利 

2016年02月02日 外部ブログ記事
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 映画「オールウエイズ 三丁目の夕日」では、焼け野が原になった東京に、復興のシンボルのような
東京タワーの建設が始まった。戦後間もないことである。東京タワーは日に日に高くなり、それとともに
人々の生活も少しずつ変化し始めた。

 いわゆる日本の戦後復興期のことであった。昭和38、9年頃から始まった高度成長期は、戦争で
発展が遅れ、更には戦争で何もかも失った日本が、飛躍的な復興を遂げる。まさに奇跡と呼ばれた
経済復興期であった。

 私も昭和38年に社会人となり働き始めた。労働運動に身を投じ、総労働対総資本という対決構造の
中で25年間、赤旗を振り続けた。その結果、経済復興とともに消費は拡大し、毎年のように何万円という
今では信じられないような賃上げの時代が続いた。

 経済の拡大もいわば消費の拡大によるものであった。三種の神器や白物家電などと言う電化製品が
飛ぶように売れ、家庭に普及していった。戦後の驚異的なインフレ時代は、こうしてもたらされた。

 決して日銀が、銀行の預金金利をマイナスにしたからではない。今の時代を見てみると、世の中は
まるで様変わりしてしまった。それはバブルが崩壊し、氷河期と言われた時代に突入してからは
物があまり売れない時代になった。

 馬鹿みたいな大量消費の時代が終わったからだ。消費の拡大は大量のゴミを生み、それらは公害と
なって、私たち自身の生活を脅かし始めた。生活ゴミを燃やせば出るダイオキシンは癌の原因になると
大騒ぎになり、各自治体はゴミの焼却炉を新しく作り替えなくてはならなくなった。


 デフレスパイラルと言われたのも耳新しい。作っても売れない。売れないから価格を下げる。それでも
なお売れない。典型的なデフレ構造であった。理由ははっきりしている。かつてのようにあれも欲しい
これも欲しいと言う大量消費の時代ではなくなったのだ。時代は成熟期に入ったと見た方が良いだろう。

 人間に例えれば一番お金が必要な子育て時代から、子どもたちが親元を離れ、夫婦だけの質素な生活に
戻った時代だと考えれば理解しやすい。更に言えば高齢者となり、いつお迎えが来ても良いような年齢に
なったと言うべきだろ。あれが欲しい、これが必要だという時代はとっくの昔に過ぎたのだ。

 それを今回は、三本の矢とか何とか言ってインフレ率を2パーセントに持って行くという目標のため
だけに、日銀の金利をマイナスにして、銀行が預けているお金を市場に出回らそうと言う考えの基に
行われていることである。物の売り買いという経済原則から逸脱している。三本の矢は自民党の宣伝に
過ぎない。

 かつては消費がインフレを推し進めてきたが、今は姑息な手段でインフレに持って行こうという考えだ。
たとえ成功したとしても数字の上だけのことであって、根本的な解決策にはならない。

 インフレは金余りの現象、デフレは物余りの現象。いずれもお金と物との関係で決まる。その上、最も
大事なエネルギー資源である石油までもが余り始めた。完全に経済の仕組みが変わり始めている。
そのことが分かっていながら従来型の経済政策しか取り得ないところに今日的な問題がある。

 これからの世の中は、物やお金に価値を置く考え方から、もっと別なものに価値を置く考えに変えない
限り、今の状況を抜け出すことは難しいだろう。

 もう戦後復興期の東京タワーのようなシンボル的なものはなくなった。オリンピックの招致も前回の
時とは大きく様変わりした。そんなことだけで、かつてのように経済は動かなくなったのだ。

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