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続発するサプライズ（人身事故編）　

2015年10月21日
テーマ：生活

“鶴見のまちの大遠忌”は、定刻の午後三時に終わった。
墓参りで三十分程の時間を費やしたので、池袋駅を午後四時半に出る快速に一足違いで乗り遅れた。
やむを得ず、五時発のＴＪライナーに乗ることにした。
と云うのも、大して速くもないのに、別料金が必要なのだ。
前の電車が遅れていたのか、二分遅れの出発になった。
その後、何度か停止信号で止まり、遅れは少しずつ増えた。
帰路半ばの川越市駅を出発し、間もなくのことである。
電車に、急ブレーキが掛った。
最近、急ブレーキと同時に、自動音声で知らせてくれるので助かる。
程なく、「霞ヶ関駅近くの踏切で、接触事故がありました」と、アナウンスがあった。
しばらくして、電車はゆっくりと進み、通過予定の霞ヶ関駅に停まった。
その後、運転再開に時間が掛るからと、ドアが開いた。

充実した一日を過ごしたのに、今度は有り難くないサプライズである。
墓参りをしなければ事故に遭遇しなかった訳だが、このことに後悔はない。
実は、翌日、国立能楽堂へ狂言と能を観に行く予定があった。
横浜の妻の実家か、阿佐ヶ谷の生家に泊まろうかとも考えた。
実家へは近々行く用事があるし、生家には行ったばかりだ。
帰宅することにした。
その判断も適切だったと思うが、不運を嘆いた。
電車は約一時間遅れて、運転を再開した。
霞ヶ関駅からは、急行として運転するという。
と云っても、この先、急行は終点まで各駅停車の区間である。

次なるサプライズは、約十分後のことだった。
坂戸駅を出てすぐ、再度、急ブレーキが掛った。
間髪入れず、「人身事故がありました」と、アナウンスがあった。
衝撃は感じなかったが、余りにも速い、そして断定的なアナウンスに、時間が掛ることを覚悟した。
この後は、断続的にアナウンスが続いた。
「レスキュー隊が到着したので、救助作業を始めます」
「一旦、電源を切ります。非常電源に切り替えるので、少し暗くなります。エアコンが切れるので、窓を開けてください」
「気分の悪い方は、車掌室に来てください」
数人が、後方へ移動した。
「レスキュー隊員が車内を回ります。体調の悪い方は申し出てください」
レスキュー隊員が回って来た。
その後、一時的に照明が点いた。
「民間の方の協力で、トイレをお借りしました。御用のある方は車掌室に来てください」
数十人が、後方へ移動した。
再度、レスキュー隊員が回って来た。
同一車両に、異常のある方はいなかった。
「これから、搬出作業を行うので、電源を切ります」
この時点で、すでに事故が発生して、一時間以上が経っている。
何を搬出するのか、説明はなかった。
「安全を確認し、間もなく運転を再開します。トイレに御用の方は急いでください」
二時間近い停車の後、電車は運転を再開した。

当初の予定より、ピッタリ三時間遅れて、自宅の最寄り駅に着いた。
直通の終着である小川町駅からは、一時間に数本しかないローカル線に乗り換えるから、ピッタリでも驚くことはない。
五時間以上も、電車に乗っていたのである。
とにかく、疲れた。
この日、たくさんのサプライズがあったが、良いことばかりではなかった。
二度目に停車したときから、ずっと考えていたことがあった。
チケットは勿体ないが、翌日の国立能楽堂を取り止めることにした。
安いとはいえ、チケットを無駄にするのは忍び難い。
理由は上手く説明できないが、翌日は自宅で大人しくしていようと思った。

完

　　　＊＊＊＊＊

事故現場の様子が分かります。
強烈な写真は含まれていないので、興味がある方はご覧ください。

http://matome.naver.jp/odai/2144516212904830701

　　　＊＊＊＊＊

写真
１０月１９日の国立能楽堂チケット

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