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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜 (十六) 泥酔状態の女には 

2015年08月17日 外部ブログ記事
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他愛もない話に興じていた女が、突然寡黙になった。
女の前に置かれていたウィスキーは、半分程が空になっていた。
彼にしても、何本のビールを空けたのか判然としない。
何故か今夜は、酔いの回りが遅い。

「大丈夫かい?」
カウンターに突っ伏している女の肩を揺すった。
「うん?」
彼を見る女の目は、焦点を失っていた。

「あんた、誰よ! 気安く触んないでよ。
失礼な男ね。なあに、その目は。あたいのこと、だらしない女だと思っているんでしょ。
いいじゃない、放っといて。
どうせ、だらしない女よ。男に騙されてばかりの女よ」
女の突き刺すような目に、彼は言葉を失った。

泥酔状態の女には、つい先ほど迄の陽気さはなかった。
親しみの色はなかった。それどころか敵意の色が見える。
触らぬ神に祟りなし、とばかりに彼は目を逸らした。

「何だい、何だって言うのよ。一人で来る奴なんか、ろくでもなしさ。
女あさりが見え見えじゃないのさ。
女心がちっとも分かんない奴ばっかりさ。
バカだよ、ホンとにバカだよ、あいつは」
焦点の合わない目で、罵り続けた。

「あたいをバカにしてるのか、あいつが大バカヤローなのか。
それとも、からかってるのか…。
あんた、シャトーって店、知ってるかい? 
あたい、そこの看板ダンサーなんだよ。毎晩、そこで踊ってるんだ。
そりゃあね、ストリップまがいだよ、確かに。
小っちゃな、端切れみたいなブラ付けてるよ。
はみ出したおっぱいも、揺れるわよ。
時々、ペロン! って、おっぱいが飛び出すよ。
それが、何なのさ。お客は、喜ぶんだ。
触ろうとするお客も、居るよ。
でもね、好きな男にしか、絶対に触らせないんだ。
ええっと、何て言ったっけ。
ほらっ、警官みたいな。そう、ポリシーってやつよ。
ちょっと、聞いてんの! 注ぎなさいよ、空っぽでしょうが。
ホント、気が利かないねえ。あいつと、おんなじだあ」

*お気付きにはならないでしょうが、この作品からスピンオフ的に生まれたのが「ブルーの住人:三章 ブルー・ふらあめんこ」なんですよ。
いや、逆か。あちらが先に生まれて、それをこっちにも登場させたんだっけ? 

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