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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空〜(十五)貴子との再会をためらう気持ち 

2015年07月25日 外部ブログ記事
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“G区か。ここからだと、三十分位かな。
乗り換えをすることになるから、もう少しかかるかな? 
やっぱり、近くまで、来たものだからが、一番妥当だよな”

バス停に向かう道々、段々と気が重くなり始めた。
“今日は止めて、明日にしょうか。
いや、だめだ! そんなことをしたら、きっと行かないだろ。
でも、どう切り出すんだ。
第一、こんなことを聞いても、いいものだろうか。
別れたんだぞ、もう”

空を見ると、雲行きが怪しくなってきた。
すぐに降るわけではなさそうだが、早晩降ってくるように感じられる。
“いっそのこと雨でも降れば、このまま帰るのに”
逡巡しながらも、バス停に着いてしまった。

“そうだ! 十分以内にバスが来なければ、帰ろう。
多分四時半位だろう、着くのは。
電話をして、会えるのが五時近く。
それから話し込んだとして、六時だ。
いや、六時半になるかもしれない。
となると、アパートに帰ってくるのは、七時半を回ってしまう。

その頃には、間違いなく雨だ。きっと、土砂降りだぜ。風邪をひいてしまうだろう。
ええっと、明日は、家庭教師の予定が入ってる筈だ。
いや、大学を休むわけにはいかん。今日は仕方がないとしても、明日も休むわけにはいかん。
やっぱり、止めよう。それに、今更貴子さんに会っても、仕方がないじゃないか”

バスが、止まった。乗降口が開く。乗客が降りてくる気配はない。
明らかに、彼の為にバスが止まった。
彼は吸い込まれるように、ステップに足を乗せた。
習慣というものは、恐ろしいものだ。
無意識の内に、車内に入り込んでしまった。
すぐに扉が閉まり、バスは動き出した。
それでも未だ、貴子との再会をためらう気持ちは消えなかった。

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