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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜 (十三)早苗からの手紙 

2015年05月16日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



たけしお兄ちゃんへ。
お元気のことと思います。
気になることがあり、お手紙を出します。
おばさんのことで、悪い噂が立っています。
たけしお兄ちゃんがそちらに戻られた翌月から、毎月男の方がおばさんを訪ねてみえます。
それは良いのですが、気になるのは泊まっていかれることです。
すぐにも帰ってきてください。早苗、心配なんです。
それでは、お体に気をつけてください。                             
                        早苗より

早苗からの手紙は、信じられない文面だった。
?まさか、お母さんに限って!何かの間違いだ、きっと?
突然、牧子の言葉が思い出された。
「女盛りの母も、淋しかったのよ」
「当たり前だよ、そんなこと。母親といえども、女性なんだから」
と答えた彼だったが、己の母親のこととなると
「親戚さ、きっと。そうに決まってるさ。
お母さんに限って、そんなこと‥‥」と、打ち消す彼だった。

「大体、何で早苗が気にするんだ!」
無性に、早苗に対し腹が立った。
知りたくない母親の一面を告げる早苗に、怒りがこみ上げてきた。
こんなもの! とゴミ箱に放り投げ、ベッドに横たわった。

「毎月だ? いや、親戚さ。早苗の知らない叔父さんさ。
死んだ父さんの、兄弟さ。そうに決まってる」
しかしいくら考えても、父の兄弟の顔が浮かばない。
父親の葬式にも、誰も訪ねては来なかった。

仕事関係ばかりで、父方の親戚なる者は来なかったような気がした。
「いや、そうじゃない。僕の知らないところで、お母さんに挨拶していたんだ。きっと、そうさ」
口にすることで、自身の身体から邪念を追い出すことで、何とか平静を保とうとした。

早苗からの手紙が気にはなったが、家庭教師のバイトを休むわけにもいかず、そのままにしていた。
実のところは、事の真相を確かめるのが恐い彼だった。
打ち消してはみたものの、牧子の言葉が頭から離れなかった。

「女盛りの母も、淋しかったのよ」
お母さんに限って、そんなことはさ。早苗の誤解に決まってる。
毎夜、一人になるとそんな思いにかられていた。
そんな悶々とした日々を送っていた彼に、一通の葉書が届いた。

=御手洗君へ。
 サークル活動の件で、連絡事項があります。葉書が届き次第、電話してください。       

                                    耀子

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