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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜 (十) 浮気してたの。 

2015年03月11日 外部ブログ記事
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「もう。どうしてボクちゃんは、こんなに優しいんだあ。
ボクちゃんの十分の一でも、彼が優しかったら。
お姉さんねえ、浮気してたの。お相手はお姉さんの上司なのよ。
警察官としてあるまじきことを、三年間も続けてたの。
わかるか? この辛さが。さあ、飲みなさい」

牧子は、彼のグラスに溢れんばかりにビールを注いだ。
そして、彼が口を付けるのを待ってから
「お姉さんにも、飲ませなさい。
違うぅ! ボクちゃんが飲ませてくれるのお。
ほらっ、お姉さんに飲ませてえ!」
と、彼に催促してきた。

彼は、乱れに乱れている牧子に当惑した。
どう言葉をかけていいのか、皆目分からなかった。
まさか、浮気だとは思っていなかったのだ。
倫理観を要求される警察官同士の浮気、いや牧子が浮気をしていたという事実が、衝撃を与えたのだ。

「ボクの父親も、よく浮気していました。そのことで、母がよく泣いていました」

「そうなの。ボクちゃんのお母さん、泣いていたの。
そう。ごめんなさい。牧子が悪いのよ。
好きでもなかった男なのに、一度身体を許してしまって、それからずるずると…。
いつの間にか、彼なしでは生きていけなくなったの。
淋しかったのよ、牧子は。
警察官だというだけで、みんな距離を置いたお付き合いしかしてくれなくて」

涙声で、牧子は話を続けた。
中田が恋しいのではなく、人の温もりが恋しい牧子だった。
今では、独りに戻ることが耐えられない牧子だった。
仕事を終えて、真っ暗な部屋に戻った折りの孤独感が、牧子をして浮気に走らせた。

東北の田舎から上京してきた牧子には、親友と呼べる女性が居なかった。
否、友人すら居なかった。
署内にも女子職員は多々居るが、東北弁というコンプレックスのせいか、会話に苦痛を感じた。
必然、付き合いが悪いという評判が立ち、皆が距離を置き始めた。

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