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敏洋’s 昭和の恋物語り

長編恋愛小説 〜水たまりの中の青空・第一部〜 (十) そんな食べ方じゃ、だめだよ。 

2015年02月28日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



「探しちゃったわ、ホントに。立ち上がってくれたから、助かったあ」
「やっと見つけた場所なんだけど。
端っこだから見つけられないと思って、ボクもずっと立ってたんだ。しかし、すごいね」

小さな二人用のテーブルで、彼は無心にパクついた。
その食べっぷりに、牧子はしばし見とれてしまった。
「どうしたの、食べないの?」

「えっ? もちろん、食べるわよ。ボクちゃんが美味しそうに食べるから、見とれてたの」
魚のフライ入りのバーガーを、指で小さくちぎる牧子に
「そんな食べ方じゃ、だめだよ。ひよっとして、初めて?」
と、彼は怪訝そうに尋ねた。

「そうなの、初めて。ボクちゃんみたいに、食べるの? イヤだあ」
牧子は、鼻に小じわを寄せながら答えた。
「イヤだって言っても、仕方ないよ。大きく口を開けて食べるのが、マナーなんだから」
周りを見渡してみると、確かに皆、大口を開けて食べていた。
「うーん、そうみたいね。いいかっ、みんなそうしてるもんね」

あっという間に平らげた彼は、まだ物足りなさそうな顔をしていた。
そわそわとする彼に、
「足りないの? もう少し、食べる?」と、牧子は席を立とうとした。
「いや、もういいや。これ以上食べると、胸やけするかも」と、彼は牧子を制した。

「ホント、大食漢ねえ。ねえねえ、いつも食事は、どうしてるの。自炊してる?」
彼の目を覗き込むような牧子に、彼は少し気後れを感じつつ答えた。
「うん。ありがたいことに、バイト先の家庭教師宅でご馳走になってる。
無い時は、もっぱら弁当。
休みの日は、できるだけ作るようにしてるけど。カレーライスとか、チャーハンを。
朝はね、パンとコーヒーで済ませてる」

「そう。休みの日だけでも自炊してるとは、偉いぞ」
「倹約しなくちゃ、いけないからね」
牧子が食べ終わってから、アイスクリームを口直しにと食した。
「あゝ、美味しかった。ボクちゃんと、一緒だったからかな?」

紙ナプキンで口元を拭きながら、満足そうに牧子が言った。
と同時に、彼が素っ頓狂な声を上げた。
「大変だあ! もう、一時半だ。始まっちゃうよ」
「いいのよ。急ぐ必要はないでしょ。でも出ようか。動き始めたわね」

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