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青い琥珀 

2014年12月08日 ナビトモブログ記事
テーマ:ウィーンからの旅

琥珀博物館は、入場料も必要が無い、ひっそりとした場所だった。

展示してある琥珀の数々も、研究室に並べられているかの様な、学究的な印象だった。

一通り、といってもあっという間に見終わってしまった私は、そういえば青の琥珀はどこにあるのだろうと思い出し、管理人といった感じの女性に訊いてみた。

「今、貴女が見てきたところに展示されていますよ」と、言う。

私の他には、係りの人と雑談風の話をしていた年配の女性一人しかいない、こじんまりとした場所である。

「あ〜、見つけられなかったのですが・・」と答えると、「こちらですよ」と彼女が案内してくれて、さし示してくれたのは。

これが、青の琥珀だったのか・・。

それは全体に白っぽくて、青の色がマーブル状に混じっている、美しい琥珀だった。

でもこれを、青の琥珀と名付けるかどうか、意見の分かれる処かも知れない。

色々な形態の琥珀を眺めながら、どんな点に違いがあるのですか、と訊いてみると、どの木の樹脂かと言うのが主な理由だけれど、成分の違いも大きく影響しているのだ、と言っていた。

私の好きな濃い緑色の琥珀は、何万という単位の細かい水泡が中に混じっているために、あの様な色が出てくるのだという事であった・・。

「此処まで来るのに、随分迷いました。色々な人に訊いたのですが、分からなくて・・」と言うと、

「あまり、地元の人達は知らないのです。でも、貴女は最終的に、来られた訳ですから・・」と、にっこり笑ったその女性の感じがとても可愛くて、「琥珀博物館」の印象は、全てがその笑顔に包まれた様であった。



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