メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

パトラッシュが駆ける！

退蔵電話　

2014年10月04日 ナビトモブログ記事
テーマ：テーマ無し

またもや、やってしまった。
携帯メールの、見逃しである。

友人からであった。
「これから伺いたいのだが」とある。
「どうぞ」と言いたいけれど、間に合うわけがない。
日付を見たら、二日が過ぎている。
隣県に住む友だ。
東京に来たついでに、寄ってくれるというのに、
これを無視してしまったことになる。

慌てて、お詫びのメールを出した。
パソコンからだ。
私は、キーボードなら素早く打てるが、携帯で文字を打つことに、
慣れていない。
倍も三倍も、時間がかかってしまう。

携帯を携帯しない。
ここに問題がある。
私は普段、机の引き出しに入れている。
囲碁の対局中であると、まったく気が付かない。
メールばかりでない。
先日は、マナーモードにしていたばかりに、電話をさえ、
受けそこなってしまった。

私は、ずぼらな人間であり、携帯を持つ資格がない。
それでも持って居る。
たまに、役立つこともあるからだ。

私は、歩き旅が好きだ。
三年前に、遍路旅に出て、四国を一周した。
四年前には、中山道を、京都まで歩いた。
どちらも、蟻が地を這うような旅であり、行程の難易もあって、
前途の予測を立て難い。
今日は、何処其処まで辿り着けそうだ・・・と分かってから、
宿の予約を取る。

この時に、携帯がないと、どうにもならない。
今や、公衆電話というものが、激減してしまっている。
ましてや、四国も中山道も、山中の道が多い。
旅が無事に終えられたのも、携帯電話のお蔭であった。
その余韻みたいなものだ。
引き続き、携帯を手放さないでいる。

今は、外出時に、妻と連絡をとるくらいだ。
在宅中であっても、使うことがある。
「あの本、何処に置いたっけ？」
三階に居る妻が、一階の私へかけて来る。
その程度のものだ。

毎月届く請求書を見ては、ため息をついている。
「あと１０００円ご利用が可能でした」
毎月、無料通話分の、翌月繰り越しばかりをやっている。

　＊　＊　＊

七月に関西へ行った。
大阪に泊まり、本日帰宅と言う段になって、
ふと、宝塚市に住む先輩に、会って行きたくなった。
梅田駅から、阪急電車で、せいぜい一時間くらいだろう。

電話をかけた。
出ない。
トイレと言うこともある。
３０分ほど間を空け、またかけてみた。
出ない。
諦めて、新大阪から新幹線に乗り、帰京の途に就いた。

先輩から電話がかかった。
「せっかくだから、是非会いたい。戻って来ないか」
と言われたって、もう東京が近くなっている。

「ちょっと出られなかったので・・・」
先輩が、言い訳をしていた。
ははあ・・・
トイレではない。
買い物に出ていたわけでもない。
大方、机の引き出しであろう。
すぐに察しが付いたが、武士の情け、それは言わないでおいた。

　＊　＊　＊

スマホ全盛の世である。
その中で、私のような、二つ折りの携帯は、過去の遺物視されている。
ガラパゴス携帯、略してガラケーとは、よく名付けたものだ。

しかしながら、私は言いたい。
「ガラケーの何処が悪い」と。
そもそも電話とは、送受信さえ、確実に行えればいい。
余計な機能は、要らないのである。

文明の発達が、人を幸せにするとは、限らない。
むしろ、振り回されるところがある。
電車に乗ると、実に多くの人が、スマホ片手に、操作に余念がない。
そんなにやることがあるの・・・
私は、呆れながら、この光景を見ている。

私はぼんやりと、車窓に映る、町を見ている。
居眠りをする。
人生では、時に孤独も悪くない。
世間と隔絶した時間を、持つことに、意味があると思っている。

しかし、こんなことを言うから、私は変人扱いされる。
携帯ばかりではない。
この私自身もまた、ガラパゴス諸島の、イグアナのような存在なのかもしれない。

　＊　＊　＊

散歩に出て気付いた。
ポケットに、何かが足らない。
財布はある。
カギの束もある。
となると携帯だ。

既に家から、百メートル来てしまっている。
携帯がなければ、仕事にならない人も居るだろう。
命の次に、大事だと言う人も居るだろう。
そう言う人は、例え一キロでも、携帯を取りに戻るだろう。

このところの我が家は、泰平であり、波風の立つ気配はない。
世の中もまた然り。
何かが起きそうな予感はない。
えい、ままよ・・・
私は、戻らずに、そのまま歩き続けることにした。

私の人生における携帯は、たったの百メートルをも、戻りたくないほどに、
その所有する意味が小さい。



拍手全ての拍手(12)
拍手する

<< 前の記事へ　／　次の記事へ >>
記事一覧を見る

コメントをするにはログインが必要です

そうですね

パトラッシュさん

トパーズさん、そうですね。
皆さん、お仲間なので、びっくりしました。
私は特に、一日中、在宅していることが多いので、
パソコンの方が、よろしいのです。
たまの外出の時は、何もせずに、ぼんやり電車に乗っています。
歩きスマホ、本当にはた迷惑です。

2014/10/08 10:05:49

シンプルが一番

トパーズさん

ガラケーのお仲間が、ナビには結構いらして、
安心しました。
私も電話は、送受信さえ確実に行えればよく
余計な機能は要らない派です。
最近スマホをやりながら、運転したり、道を歩いて
いる人をよく見掛けますが危ないですね。

2014/10/08 08:50:06

味付けだけで・・・

パトラッシュさん

彩々さん、
皆さんのような才気は、私にはありません。
取り上げるのも、平々凡々たるネタばかりです。
そこで、文だけは、丁寧に味付けをしています。
さながら、大根を煮るに際し、出しを利かせるようにです。

じっくり煮込むので、時間がかかります。
それで、のべつというわけには、まいりません。
寡作にならざるを、得ないのであります。

彩々さんの文こそ、素晴らしいですよ。
何か粗を・・・と思っても、容易に見つかりませんもの。
おそらく若ころから、書くことに、相当習熟していたな・・・と、
そう思わせる文章です。

また、談論風発をやりましょう。

2014/10/07 12:29:23

うふふ、、うふふ、、言いながら

彩々さん

お会いして、お話を聞きながら
笑いがこぼれるという状況と同じように
読ませていただきました。

ス〜っと頭に入ってくるような流れの良い
文章。
さすがと言っては失礼なほど、敬服します。
師匠に向かって、上目線で言っているのでは
有りませんから。

ガラ携帯と同じで、師匠のたまのBlog　UPが
またイイです。
忙しすぎるのはイケマセン。

2014/10/07 09:37:09

ゆっくり・・・

パトラッシュさん

我太郎さん、
息子さん、親をよく見ていますね。（笑）

我々年配者は、何も、世の中の先端を走ることはありません。
ゆっくりと行きましょう。

2014/10/06 10:01:23

貫禄は・・・

パトラッシュさん

プラチナさん、
ガラケー派が多く、意を強くしております。
何も、新しいものに、飛びつくことはありません。
年配者は、他の分野で、貫録を示せばよいのですから。

2014/10/06 09:58:05

ガラケー

我太郎さん

言葉さえ知らなかったのですが、先日買い替えの際、息子にスマホのことを聞いたら、ガラケーにした方が無難だと言われました
語源はガラパゴスですか
電話とメールさえ出来れば良いのでガラケーにしました

2014/10/06 07:45:25

ガラケー結構

プラチナさん

パトラッシュさんのケータイ感と全く同様です。先月末、買い替えの時機も有って、せがれにスマホを薦められましたが、やはりガラケーにしました。

2014/10/05 23:04:24

同類以上で・・・

パトラッシュさん

KYOさん、
そんな携帯が、あるのですか。
もしかしてそちらは、ガラパゴス諸島に近いからでしょうか？・・・
（冗談です）
一か月５００円とは、私より安いですね。

キーボードがなくなると、頼りなくっていけません。
タッチタイピングなんか、出来るのでしょうか・・・

2014/10/05 19:16:39

携帯

KYOさん

ガラケーですらなく、もう日本では手に入らないような箱型の携帯をいまだに使っています。
しかもプリペイドで、一ヶ月にして500円程度しか払っていません。｢携帯｣なのにしょっちゅう携帯し忘れます。

日本の一時帰国用で使う携帯も同じようなものを使っていましたが、なにやら日本での電波の仕様が変わって使えなくなるとか？で二つ折りのものにしました。
携帯で文字を打つのは苦手です。
大き目のタブレットでも駄目です。
あと少ししたらキーボードは過去の遺物になるのでしょうか？
そうなったら困ります。

2014/10/05 18:50:41

時計代わり、まったく同じです

パトラッシュさん

MOMOさんも、同じくですか。
意外にガラケー派が多いので、意を強くしております。
スマホは確かに、便利そうですが、私には使えこなせそうもありません。
使いこなすための努力を、他に振り向けたいと思っております。

2014/10/05 07:49:19

なるほど・・・

パトラッシュさん

マリーさん、
そんな説があるのですか・・・
私が、肌身離さず持ち歩くようになったら、
たちまち、疑われますね。
もっとも、携帯でなくたって、私はすぐにバレますけどね。
すぐに顔に出てしまうから・・・

翌月繰り越し、誰かに分けてあげたいのですが・・・

2014/10/05 07:42:13

自分も

MOMOさん

通勤電車に乗ると、7,8割の人がスマホを操作してるのを見ます。ネットやメールの検索をしていたり、ゲームをやっていたり、動画をみていたり。機能的にはPCに近くなっているのが良く判ります。

MOMO自身は簡単携帯で、普段は時計替り。腕時計を使わなくなりました。

時々、野草撮影に遠出もしますので、帰りが遅くなりそうな時は、所在を伝えるのに使ったりします。

スマホだったらと思うことも皆無ではありません。その一つはGPSで地図上に足跡記録を残すアプリ。もう一つは、所持しているコンデジは、アプリを入れれば、撮影映像をワイヤレスでスマホに転送したり、スマホでシャッターのリモコンが出来るのに、それができないことです。

でも当面は、スマホに替えることは無いと思ってます。

2014/10/05 02:20:24

まだガラケーです

さん

ひとり者は別として、ご夫婦の場合、携帯を肌身離さずトイレやお風呂場まで持ち込む人は浮気をしている可能性ありです。
不携帯の人は限りなく白だと思いますがどうでしょうか?

無料通話の翌月繰り越しは私も毎月のことです。
電話よりメールが多いです。
女性同士は絵文字をたくさん使います。

2014/10/04 21:48:15

不携帯

パトラッシュさん

秋桜さん、
昔、不敬罪というのがありました。
今もし「不携罪」というのがあれば、私は真っ先に捕まります。
秋桜さんも・・・（笑）

携帯の文字打ち、慣れないと、本当に面倒ですね。

2014/10/04 18:01:31

時計代わり

パトラッシュさん

SOYOKAZEさん
私も、構想を練るのは、パソコンから離れた、
散歩の時、電車の中などが多いです。
パソコンに向かうのは、ある程度、想念がまとまっているときです。

携帯は、夜、枕元に置いて、時計代わりに使っています。

2014/10/04 17:57:02

同類です。

秋桜さん

わたしも携帯を携帯しない派。
文字打ちを携帯では面倒と感じる派。
イライラします。
だからほとんど用をなさないです、眠っています。
似ています＾＾

2014/10/04 17:31:48

私も

さん

師匠、こんにちは。

私もガラケーを所持し、息子から、しばしば「母さんの携帯は不携帯じゃない？」と文句を言われつつ、殆どはバッグの中で、開けたら着信やメールが一杯で大慌てなんて事も。

自分が一人旅する時や、人と待ち合わせする時だけは、必須アイテムですが、あとは時計代わりか、スーパーで日にち確認に使うぐらいです。

電車の中では現在はもっぱら作品の構想を練ったり、緑を見て、疲れた目を癒しています。

師匠の文章はいつもエッセイです。
テーマと詩情があります。

2014/10/04 15:32:37

複雑回避で

パトラッシュさん

喜美さん、
スマホなんか、要りません。
かけ放題がいいですね。
電話代気にしないで、長話するのは、精神衛生上、とても良いことだと思われます。

2014/10/04 12:58:40

楽しきかな

パトラッシュさん

風香さん、
おお、居ましたか、変人域に生息する人が・・・
私は、同種、同類が、大好きであります。

2014/10/04 12:56:12

携帯

喜美さん

私もスマホではありません
唯メールと電話ですから

今度は　かけ放題にしました
同級生の人たちも　元気でも
お互いに一人の電車は不安ですから
電話が一番　短く短くと思っても懐かしさや　お互いに同じことばかり言うし
此れにはかけ放題がよいと
何時でも携帯はそばに置いています

2014/10/04 12:28:48

じっくりと・・

さん

拝読いたしました。
やはり、ひきつけられる文章です。
随筆・・かなぁと、思いながら。。

しかし〜のような存在なのかもしれない。　では
賛同なので、私も変人に域に生息しています

2014/10/04 11:50:02

PR





上部へ