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パトラッシュが駆ける!
旅のついでに
2014年08月08日
テーマ:テーマ無し
私は “ついで“が好きだ。
外出したついでに、もう一つ、別の用を片付けると、それだけで、
大いに得をしたような気分になる。
これは、貧乏性という病気に特有の、顕著なる症例と思われる。
旅に出ても、すぐに症状が出る。
旅先で時間が余り、無為に過ごすということに、耐えられない。
せっかく来たのに、もったいない。
ガイドブックを繰(く)り、見物する場所を、無理にでも探し出す。
見物に限らない。
人に会うことも、旅の成果のうちに入る。
せっかく来たのだから、ちょいと足を伸ばし、
あの人に会って行こうか・・・
ということを、思い付く。
ついでの対象とされた、友人知人こそ、いい面の皮だ。
* * *
一昨日、京都で遊び、昨日は大阪を徘徊し、今日は帰宅する日だ。
しかし、このまま帰ってしまうのが、もったいない。
何処かへ寄って行きたい。
しかし、観光はもう、食傷気味だ。
何せ、京大阪の、目ぼしいところを回り、飲食に喩えれば、
かなりのご馳走を食べてしまっている。
お茶でも飲んで行きたい。
あるいは、軽く一杯やるのもいい。
関西圏に居住する、友人知人を、あれこれ思い浮かべてみた。
兵庫県宝塚市に、私が先輩と呼ぶ人が居る。
三年前、四国の遍路旅で会って以来、その縁が繋がり、
今でも年に一度くらい、会っている。
そうだ、宝塚に行こう。
駅前に呼び出し、昼食を共にする。
当然に、ビールで乾杯ということになる。
その後、宝塚大劇場へでも、案内してもらえないだろうか。
もちろん、外から見るだけでいい。
私はこのところ、がらにもなく、宝塚歌劇に凝っている。
「今、駅前にいます」
「駅前って、何処よ」
「駅っていえば、宝塚でしょ」
「えっ」
絶句する、先輩の顔が見えるようだ。
実は一昨日も、私は、京都の友人を二人、それぞれの家に訪ね、
絶句させたばかりだ。
予告もなしに、いきなり、その家々の戸を開けた。
京都の町屋だから、インターフォンなどない。
二人とも、呆然たる顔をし、事態を把握するまでに、しばらくの時間がかかった。
私も悪い男だ。
人を驚かせ、喜んでいる。
但しこれ、誰に対しても、行えるわけではない。
そこに、信頼関係がなければ出来ないことは、言うまでもない。
「これから阪急電車に乗ります」
梅田辺りで電話を入れるのが、妥当かと思われる。
先輩だけに、少し大目に見て、迎撃の態勢くらい、
整わせてあげるべきであろう。
* * *
私は、淀屋橋で地下鉄を降り、適塾を見、さらに歩いて、中央公会堂を見た。
いずれも、時代は違えど、大阪の古い建物である。
私は、食いあきたと言いながら、まだ、大阪の町を、
つまみ食いしながら歩いている。
阪急梅田駅まで行って、先輩に電話をかけた。
しかし出ない。
トイレにでも、入っている可能性がある。
いくらなんでも、もう終わったであろう・・・
20分ほど経って、また電話をした。
出ない。
先輩の携帯にかけている。
固定電話は、あるだろうが、知らない。
さあ、困ったことになった。
携帯を、携帯しない人がいる。
机の引き出しに、入れっ放しの人がいる。
これでは、携帯電話の意味をなさない。
私は、宝塚を諦め、新大阪に向かった。
さすがに、この期に及んで、誰か代わりをとは、思わなくなっている。
私の貧乏性も、だから、膏肓に入るほど、重度というわけでも、
ないようだ。
* * *
「電話を頂いたようですが・・・」
先輩から、電話が入った。
やっと気付いたと見える。
「実は、昨日今日、大阪で遊んでおりました。お会いしたいと思い、
梅田駅から電話しましたが、出られませんでしたので、
帰宅の途に就きました。
今、新幹線の中におります」
「まだ、大して経ってないじゃないの。引き返せないの?」
「もう、東京に近付いております」
「なぁんだ」
なぁんだは、こっちの方だ。
もしかしたら、入院でもと、私はあらぬ心配まで、したのであった。
梅田で断念し、正解であった。
危うく、無駄足になるところであった。
但し、別の可能性もある。
もし宝塚駅まで達して居たら、私のことだ。
転んでもただでは起きない。
先輩宅の、おおよその住所はわかっている。
タクシーで近くまで行き、後は、人に聞けばいい。
「○○さんは変人です。一人で何十回も、ヨーロッパを旅した人です。
そうそう、以前は駅前で、書店を経営して居ました」
私は先輩を、地元ではきっと、有名人だろうと推測している。
近くで尋ねれば、家はきっと、突き止められるのでは、あるまいか。
家さえ分かれば、しめたもの。
どんどんと、その家の扉を叩くまでだ。
顔を出した先輩の、その驚くさまが、見られたかもしれない。
なまじ電話などせず、阪急電車に乗ってしまった方が、よかったかと、思わないでもない。
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行動美学
喜美さんは、おっとり型ですね。
あくせくしないのですね。
出来れば、その方がよろしいです。
人間の行動として、美しいですから。
私は、貧乏性で、とてもじっとして、居られないのです。
困った性分です。
2014/08/09 19:02:33
身軽
私は行くと旅館から出ませんお風呂大好きで幾つもあると次々制覇します
友達が近くにいると電話はします
あちらが来てくれれば会うし
其れでなければ長いお喋りです
2014/08/09 11:58:49
なるほど
演劇経験者たる、SOYOKAZEさんらしい、
宝塚に対する、受け止め方ですね。
わかるような気がします。
私の場合は、ただ単純に、あっと驚かされただけで・・・
それで、はまってしまいました。
(子供みたい)
旅先で、のんびり出来るだけ、SOYOKAZEさんの方が優雅、つまり貧乏性ではないということです。
私はすぐに、「稼ぎたく」なってしまいます。
困った性分だと、自分でも、思っておりますが・・・
2014/08/08 19:37:40
出たらとことん
パトさん、こんにちは。
私も野暮用で出た時はなるべく2つ3つ要件を済ませて満足するタイプですが、旅先では意外との〜んびりです。
好きな場所で、名所以外の路地裏散歩したり、古のロマンに思いを馳せたり意外とぼ〜っと過ごしています。
アポなしで遠来の友が立っていたら驚くでしょうね(笑)
宝塚は高校生くらいまで結構夢中になりましたが、何故か大人になったらけ恥ずかしくてショーは今でも大好きですがお芝居が観られなくなりました。
2014/08/08 16:23:43
変人同士
風香さん、
そうです。
昨日お知らせした、本の著者です。
宝塚在住ながら、車で、全国行脚をやってりしています。
かなりの変人ですが、私も負けずに、変人ですので、なんとなく、ウマが合うのかもしれません。
函館図書館のことは、彼に聞きました。
2014/08/08 13:24:46
宝塚
彩々さんは、宝塚のお生まれでしたか・・・
それは、奇縁でした。
私は、この年になり、宝塚歌劇を見るようになり、
たちまち、はまってしまいました。
今までは、あんなもの・・・と軽視しておりましたが、見ると聞くのは大違い、その迫力と美しさに、
驚嘆させられました。
但し、男一人で行く勇気はありません。
今度、機会がありましたら、付添をお願いいたします。
宝塚大劇場へも、行ってみたくなっています。
2014/08/08 13:21:18
お友達
フットワーク軽いですね。
それと、楽しい思考回路をお持ちです^^
>一人で何十回も、ヨーロッパを旅した人です。
・・もしかして当地図書館への自著寄贈の君でしょうか。
2014/08/08 13:15:08
グッドタイミングで…
パトさん、こんにちわ!
今しがたお昼に「さんまのかば焼き丼」と
お味噌汁を作ってのランチセットにして食べたばかり。
美味しかったぁ〜と、お腹を叩いている時に
パトさんの「旅のついで」を読ませていただ
きました。
とても美味しいデザートになりましたわ。
いいなぁ〜、パトさんも自由人で!
因みに私は宝塚で生まれました。
母が言うには、上の姉の手を引き
私はお腹の中から観ていたそうです。
神戸育ちなので、ご近所のお姉さんとか
同級生にもタカラジェンヌが居たりして…
娘とも嵌まって東京宝塚劇場によ〜く
通いましたよ。
今度、ご一緒しましょう。
2014/08/08 13:07:30