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人生いろは坂
日々変わりなく
2014年06月29日
テーマ:テーマ無し
ここのところ決して気分の良い天気とは言えないけれど、雨の降らない比較的爽やかな天気が続いています。そして心なしか
朝夕は気温の低い日が続いています。吹く風が少し冷たく感じられます。
街路樹のヤマモモが熟して大量に落ちています。民家の軒先の改良種のヤマモモの実が赤黒く色付いて道端に落ちています。
収穫する人もいないようです。私たちの子供の頃のように競って食べる子もいないようです。
どうも中四国地方のこの辺だけを雨が避けて通っているようです。少し畑が乾燥気味です。これは偏西風が大きく蛇行している
からでしょうか。関東地方では突然の集中豪雨や大量の雹が降るなど異変が続いていると言うのに。こうしてみると日本も広い
ですよね。
さて、一昨日の土曜日、久々に山の畑に行ってみました。この前に耕しておいたところへサツマイモの苗を植えました。自家製の
苗です。刈り残していた草も刈りました。見上げるとスモモがきれいに色付いていました。赤紫の濃いスモモです。目ざといカナブン
などが少しかじった跡があります。ヒヨが甲高い声を上げながら近くに来ています。どうやらスモモが熟すのを待っていたようです。
例年であればそろそろビワも熟す時期なのですが昨年バッサリと枝を切り落としたので今年は何もありません。ビワはカラスたちに
とっても大好物です。熟す時期になるとカラス対策のネットを張るのが恒例になっていますが今年はその必要がありません。
久々にスモモの木に登ってみました。徒長枝という真っ直ぐな枝が競うように何本も伸びています。この枝を選定しながら登って
みました。諦めていたスモモがたくさん熟していました。大粒の実です。手近な一個を取って口に入れてみました。とても新鮮で
甘酸っぱい味が口の中に広がります。私はスモモの味も好きですが口の中に広がる香りも好きです。
ヒヨ達がすぐ近くまで来て羨ましげな声を出して鳴いています。先端を飛ばした木の頂上で鳥になった気分でスモモを捥いでは
口に運んでいます。眼下には私の住んでいる小さな谷あいの集落が一望できます。遠くには瀬戸内海が少しだけ見えています。
持ってきたナイロン袋が収穫したスモモではちきれそうになってしまい竹かごを持ってくることにしました。結局、竹かごまでも
いっぱいになりました。孫が久々に神戸から来ます。喜ぶ顔を見るのが楽しみです。
この時期、雨が降ることが多く今年のような雨が少ない年でなければとても収穫は難しいのです。と言うのも長雨が降ると傷ついた
スモモはすぐに腐って落ちてしまうからです。とても残念ですが今年のようなことに収穫出来る年は稀なことなのです。とにかく
畑で出来る野菜や果樹は口に入るまで何があるか分かりません。それが農薬を使わない農業です。
私の農業は収穫の喜びもさることながら作る喜びの方を重んじています。すくすくと伸び花を咲かせ実が付く、そこまでが楽しみ
なのです。そして実が付いたら袋掛け、そして収穫が近くなったらネットをかける。専業農家のように良いものは収穫できません。
それでも作る喜びを味わっているので文句は言いません。
ただ、収穫を直前に控え鳥などに食べられてしまった時にはがっかりしたり溜息は出ますが仕方ありません。これも自然の成り行き
です。それでも今年のスモモのように奇跡のように収穫できることがあるのです。どうして残ったのか、他はチョッキリゾウムシに
やられてしまったと思っていたら奇跡のように津軽と言う品種にリンゴが一個だけ残っているようなことがあるのです。
自然と言うものはとても不思議です。その昔、何が何でも収穫をと朝早くから重い農薬の入った圧力容器を肩にして農薬を全身に
被りながら撒いていた時もありました。愚かでもあり、未熟でもあり、欲もありした。懐かしい思い出です。それほどの苦労をしても
出来の良い時ばかりではありませんでした。
このように色んなことをしてみた結果、何もしない方が良いと言う結論に達しました。最低限のことをして後は天に任せる。その結果
出来の良い年もあれば出来の悪い年もある。今年は大木のハッサクの木とネーブルオレンジが全く実を付けていません。昨年、大量の実を
付けたからです。隔年結果という現象なのです。これも自然のあり様なのです。たくさん出来れば出来たで収穫に困ります。農業ばかりは
幾ら機械化したからと言って、やはり人間の手が必要です。収穫まで機械でと言うわけには行きませんから。
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