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「魚をさばく」技術 

2014年02月02日 ナビトモブログ記事
テーマ:ごはん

恥ずかしながら私、魚をさばけません。

中学生までは東京で育ちましたが、海育ちの母がスーパーマーケットの魚を「鮮度が悪い」と言って嫌っていたのと、当時同居していて台所の主導権を握っていた祖母が魚よりも肉を好んでいたこともあって、子どもの頃は食卓に魚は滅多に上りませんでした。

中学の途中から母の実家のある町に越し、そこで初めて魚の美味しさを知りました。
漁師だった叔父が、水揚げしたての魚を届けてくれるのです。
美味しくないわけがありません。

ところがある日、私の喜ぶ顔を楽しみにしてくれていた叔父が、生きたままの魚を刺身用に届けてくれました。

最初は私も喜んで見ていたのです。
まな板の上でバタバタと暴れる魚を母が押さえつけ、脳天を包丁の裏で一撃!
すると魚は「ギャッ」と叫んで動かなくなりました。

空耳じゃありません、魚も本当に叫ぶんです。
その後も何度も聞きました。
「ギャッ」と魚が叫んだのを聞いた(ように感じた)のはその時だけでしたが、「キュッ」というような悲鳴です。
・・・多感な頃だったので、それ以降しばらく魚は食べられなくなりました。


さて、

それから数年が経って乙女な頃も過ぎて「可哀想だから食べられない」などということもなくなり、なんでも美味しくいただけるようになりました。
それでもどうしても、我ながらバカらしいとは思うのですが、食べるのは平気なのに、さばくのは怖くてどうしても駄目です。
幸か不幸か結婚した相手は釣りが趣味で、魚が捌ける人でした。
なので必要に迫られることもなく、日々を過ごしてしまいました。


そんなこんなで先日利き腕を折った母の代わりに台所に立った時には、母のリクエストの「魚」は食べさせてあげることが出来ませんでした。
普段なら魚屋で頼めばさばいてはくれるようなのですが、大きな魚ならともかく、母の食べたがるサバだのムツだのキンメだのといった中くらいの魚は、年末年始の忙しいときにお店に手を煩わせることは頼みづらく…。

と、いう事情を知った近所の方々が、ご好意で、「あとは食べるだけ」の状態までにしてくれたものを何度も差し入れしてくださいました。
それはそれで本当にありがたかったのですが、母としては自分の好みの味があるらしく、はっきりとは言いませんでしたが、どうせなら味付け前の「さばいた状態」までのものが欲しかったようでした。
ですがご好意に対してそこまでの我侭はもちろん言えず、「どうして娘(=私)に魚のさばき方を教えておかなかったのか」と、そこばかり愚痴っていました。
私としても母のために頑張りたい、この際捌き方を覚えたい、という気持ちはあったのですが、情けないことに、どうしても怖くて出来ませんでした。

その母、ここに来て自分の好きな味付けの魚が食べたくて我慢ならなくなったらしく(笑)、昨日ホームヘルパーさんを派遣してくれるところに連絡して、魚をさばくことが出来る人をお願いしたそうなんです。
ところが、残念ながら「そのようなリクエストに応えられる人がいない」と断られたとのことです。
母の話に拠ると、問い合わせたところに登録されているヘルパーさんたちはどうやら私と同世代くらいの方々ばかりのようです。
魚が捌けない人がいるなんて信じれない、港町の名が泣く!と母は驚き呆れガッカリしていましたが、さもありなんと思いました。

もう何十年も前から過疎化が止まらない母の住む町では、私のかつての同級生はほとんど残っていません。
現在町に住んでいる私と同世代の人たちは、多くが地域外から来た人です。
つまり、「海育ち」ではありません。

あまりにも嘆く母の声を聞きながら、今度日本に帰ったらがんばって捌き方を教わろうかなと思ったその時、

「昔は鶏だって自分で〆てさばいていたのに、情けない!」・・・

母は、子どもの頃には家の手伝いとして鶏を捌いていたのだそうです。
母のなんだか生々しすぎる昔話を聞きながら、「やっぱり私には魚もムリだー」と我に返りました(トホホ)。



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ばばたまさん、コメントありがとうございます

KYOさん

母も「美味しいご飯が食べられる!と思ったら怖いなんてことはなかった」と申しております…
羽毛が〜、の話も母も申しておりました…

実は20代になったばかりのころに「森で暮らす」みたいな自給自足に憧れたことがあって、外国で書かれたものを日本語訳した本をワクワクして買って読んだことがあるんです。
パラパラとめくったら動物別の屠殺方法がイラスト入りでこまごまと書いてあったのを見つけ、急に現実に向き合わされて「・・・」となりました(涙)

2014/02/03 13:01:42

トパーズさん、コメントありがとうございます

KYOさん

そちらでは美味しい魚が安価で手に入るのですね。うらやましいです!
こちらは海釣りが趣味の人が身近にいない限り、新鮮で美味しい魚はなかなか手に入りません…
かつては夫が趣味で釣りをしていましたが、ここ数年忙しく、釣りに出かける時間も無い様です(涙)

2014/02/03 12:13:03

チワワさん、コメントありがとうございます

KYOさん

私も活け造りも踊り食いもダメです(涙)
でもお刺身大好きですー
魚は好きですが、ここに住んでいると美味しいお魚がなかなか手に入りません。残念です。

2014/02/03 12:11:02

ウイールマンさん、コメントありがとうございます

KYOさん

ウイールマンさん、釣りがお好きだったのですね!
そしてウイールマンさんはお優しいですね…
私は、正直に申し上げますと「可哀想」という感覚ではないんです…ただひたすらに、「怖い」んです。(涙)

こちらに住んでいる限りは丸ごとの魚は意識しないと見る機会もないのですけど、日本(特に海沿いの母の住む町)ではそうもいかず、改めて恐怖でした。

2014/02/03 12:09:48

魚をさばく

トパーズさん

私は、正式にさばき方を習った訳ではないのですが、
YoutubeやTVの料理番組などから
ヒントを得て、我流で魚をさばいています。
よく切れる包丁とディナー・ナイフの2丁が
あればOKです。
お客様に出すわけではないし、家族で
食べるので、失敗しても気にしません。
鮭、鯖、鰆は安価で手に入りますので、
粕漬けや味噌漬けにすると美味しいです。
まずは、お試しを。

2014/02/02 23:59:49

さん

魚の活き作りは 美味しいだろうけど衝撃的で食べられません。切り身にしてあれば食べられます。1日に一回は魚を食べるとアルツハイマーの予防になると言っていました。(^^)/

2014/02/02 23:06:19

KYOさん

ウイールマンさん

そうなんですね、魚も叫ぶんですよ。
自分は釣りが、大好きだったので、よく釣った魚をしめたんですけど。

時たまそんな事ありましたね。



今はもう魚が何となくかわいそうで、釣りもやめました。

最近息子が釣ってきた魚をさばいたんですけど、食べる段になったら、あーこの魚昨日まで生きてたんだと思った途端、食欲もなくなっちゃいました。

もう魚をさばくのは嫌ですね。

魚屋さんで、切り身を買って食べるしかないです。

2014/02/02 14:14:35

鶏はさすがに

さん

魚は さばきますよ〜 大きな鯛を頂いたときは あちこち怪我はしましたが。小さな鯵や 鰯 きびなごのたぐいまで(笑)

子供の頃 夕方遊びから帰ると 庭に鶏の毛が ファファっと飛んでるのを見てやった〜炊き込みご飯だ〜と!喜んでました。

2014/02/02 11:16:32

彩々さん、コメントありがとうございます

KYOさん

母の口癖は、「美味しいものを食べるには、手抜きしてちゃダメなのよ!」ですが、魚をさばくことだけは・・・(涙)。
あっ、イセエビもダメなんです。
実は新婚時代、叔父がわざわざ「刺身で食え!」と採りたての冷蔵宅急便で送ってくれたイセエビ、さばこうとしたらいっせいに暴れだし、キューキュー鳴くので、泣きながら茹でてしまいました…美味しかったです。(涙)

牡蠣醤油、コメントを拝読していて「うわぁ〜!」と頭の中がバラ色になりました!
牡蠣、大好きなんです!
なぜ今までそんな醤油を知らなかったのか!と自分の無知さにガッカリです。食べてみたいー。
教えてくださってありがとうございました!

2014/02/02 11:05:28

吾喰楽さん、コメントありがとうございます

KYOさん

なんかもう、「上手にさばく」というレベルの話じゃないんですよ。
丸ごとの生魚が怖いんです・・・
魚屋に入ること自体が怖くて(涙)。

自家製開き、いいですねー!
こちらに来る前は茨城にいたので、夫が釣った魚を開きにしましたよー。
もちろん開いたのは夫ですが(とほほ)…。開いてあれば、もう怖くないんです。
我ながら本当に勝手だなぁと思いますが…。

2014/02/02 11:01:24

喜美さん、コメントありがとうございます

KYOさん

なんだかもう、頭がついているだけで心臓がドキドキしてしまって…(涙)
実は母が骨折したその数時間前に買っていたイワシをどうしても処理しなくてはならなくて手開きしたんですけど、手が震えて震えて…
頭がついていても焼いてあったり煮てあったりするものは全然平気なんですけど、我ながら困ったものです(涙)

2014/02/02 10:57:31

お邪魔します

彩々さん

KYOさん、面白すぎ(笑)

食欲が旺盛なお母様なら
まだまだ大丈夫ですね。

私だって無駄に戦ってしまうだろうけど
美味しいものを食べるまで死ねない派です。

PS:吾喰楽さんの所でも、牡蠣醤油の
コメありがとうございます

2014/02/02 10:54:47

自己流

吾喰楽さん

魚を上手にさばくのは、難しいですね。
吾喰楽も苦手です。

それでも、自分が食べるんだからと、何とかやっています。
富山へ単身赴任していた頃は、アジやカマスで開きを作りました。
イナダくらいの大きさは、比較的、扱い易かったです。
二枚に下ろし、骨のない半身で刺身、骨付きは味噌漬けにしていました。
鮮度の良い魚を自分で下ろして食べると美味しいですね。

トライ&エラーで、挑戦なさったら如何ですか?
勿論、鶏は吾喰楽も、絶対に無理です。

2014/02/02 10:29:42

魚をさばく

喜美さん

はじめから骨に実をつけないようにとか形を崩さないようにとか色々考えずに小さいお魚からやってみるといいわ
初めから上手の人はいません
私は鯵作って骨に身がつきそれをゆでておぼろ作ります チラシにして美味しいです骨の出しは味噌汁でも作れるし身はお刺身に 下手でもいいのよ
はじめから上手の人ないわよ
勇気を持って作ってください

2014/02/02 10:29:02

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