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パトラッシュが駆ける!
私の嫌いな・・・
2012年06月29日
テーマ:テーマ無し
私は、瀬戸内寂聴さんの著作を、読み漁ったことがあった。
仏教関係である。
晴美時代の作品は、ほとんど読んでいない。
随筆を読んでいて、おやっと思ったことがある。
女装で知られる、ある歌手との交流が記されていたからだ。
“彼女”のその、化粧たるや、彩色を極め、よくぞここまで装えるかと、
呆れるくらいにけばけばしい。
へぇ・・・
意外な関係に驚きつつも、あの瀬戸内さんのやることなら、仕方ないかと思った。
* * *
私は実は、女装が嫌いなのである。
女装する者(つまり男)が嫌いと、こう言った方がいい。
ニューハーフと称される、テレビタレントなどの、全てがいやだ。
珍奇であり、時に醜悪でもあり、見るに耐えない。
だから彼女らが画面に映っていると、すぐにチャンネルを替えたくなる。
視聴率稼ぎに躍起の、民放ならまだしも、NHKにさえ登場する。
世の中はもう、ここまで変わってしまったのか。
世の人の多くは、ここまで彼女らを認め、受け入れているのかと、
私の嘆きは、さらに深くなる。
私はきっと、古臭いのであろう。
そして、偏狭なところがあるのだろう。
一旦嫌いになると、もうだめだ。
とことん嫌ってしまう。
一方で、好きなものは好きだ。
つまり、好悪の情が人より強く、その差が、甚だしいのであろう。
* * *
私が師と仰ぐ、山口瞳さんも、好き嫌いの激しい人であった。
サントリーの宣伝部で同僚だった、開高健氏とよく対比される。
「開高さんは、すごく入りやすい人だけど後が怖い。
山口さんは、最初は怖いけれど後は優しい」
昔、中央公論の社長だった、嶋中さんが語っている。
(山口瞳「男性自身」傑作選より)
山口さんの場合、先ずは厳しい選別が行われ、そこをパスしてしまえば、
親しい付き合いに発展するということだろう。
私も気分としては、山口さんに近い。
しかしながら、私の場合は、長年商売に従事して来たこともあり、
接する人々に対し、厳しい選別など、出来なかったのが実のところだった。
対人関係を円滑に保つことが、商人の第一義であり、
作家の先生のように、人を睨むわけには、行かないのである。
だからその分、厳しい選別の矛先は、世渡りと関係のない分野に行く。
テレビの中の人物なら、嫌いなものを嫌いとして、誰に憚ることもない。
リアクションを受ける恐れのない、そんな世界でしか、好悪を表せないとは、
我ながら、情けないのであるけれども・・・
* * *
その山口さんの、嫌うもの・・・
さすがに癖論家だけあり、これがもうたくさんある。
そして、これが不思議なのだが、そのほとんどが私の思いと合致する。
例えば、蘭とか盆栽、観葉植物の類を嫌って居られる。
一方で、野菊なんかがお好きだ。
私もまったく同じであり、自然の中に咲いている花こそが、一番美しいと思っている。
だから旅の途中で、たまたまコスモスの群落などに行き当たると、それはもう嬉しくなる。
一方で、歌舞伎の襲名披露などの際、劇場のロビーにずらり並んだ蘭を見ても、
あまり感激することがない。
送り主の名札を見、値は高いだろうなと勘ぐるくらいだ。
先生は、わざとらしいもの、奇をてらうものを、一貫して排しておられた。
柄物のワイシャツも、その一つだ。
これを、古臭いと言わば言え、私もまた、ワイシャツばかりでなく、
パンツに至るまで、白をもって最良としている。
そんな美意識の山口さんの目に、女装がどう映るか・・・
考えるまでもない。
おそらく、件の女性など、一瞥して唾棄されるだろう。
「私のきらいな」と言うエッセイの中に、当たり前ながら、女装及び、
女装者についての記述などない。
書くまでもなかったからだと、私はこう推測している。
* * *
偏見を持って、人を見てはいけない。
私なんぞの、うかがい知れぬところに、女装の“彼女“の真価があるのかも知れない。
きっとそうだ。
あの瀬戸内さんが、親交に近い付き合いをされるからには・・・である。
そう思いつつ、しかし、私はイヤだ。
勘弁してもらいたい。
生理的に受け付けないのである。
彼女及び、彼女に類した人々を、視野に入れることがだ。
瀬戸内さんで、まだよかった。
仮にである。
仮に山口瞳さんが、彼女と親しかったりすると、私は困ったことになる。
師と仰ぐ唯一の人を、失ってしまうところであった。
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「血族」
おや、同じお寺でしたか。
「血族」は、山口さん渾身の一作であると思っています。よくお書きになったものです。
私はこれを読んで、ますます山口さんが好きになりました。
2012/06/30 09:06:37