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パトラッシュが駆ける!

続・困ったもんだ 

2010年06月18日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

住吉邸の梅の実が、ほんのり色付き始めた。
今年は、生り年のようだ。
長い付き合いで、私の「愛木」みたいなものだから、よく知っている。
去年より、明らかに、その実が多い。
そろそろだな・・・
私は毎朝、散歩に出ては、垣根越しに梅の木を見上げている。


「お父さん、今年はジャムを作らないの?」
娘がやって来て、言った。
「未定」
「何で未定なの?」
「梅の実が、手に入らない」
「八百屋で買えばいいじゃない」
「そう言うわけには、行かないんだ」
「空き瓶なら、たくさんあるからね」
「わかった」
説明するのが面倒で、つい、ぶっきらぼうになる。


住吉夫人が、介護付きホームに入って、もう三年になるだろうか。
息子さんは別に住んでいるから、住吉邸は無住のままだ。
去年までは、その息子さんが来て、伝言をもたらしてくれた。
「母が言っています。どうぞ、お好きな時に庭に入って、
梅の実をお採り下さい」
住吉夫人、身体は弱っても、頭はしっかりしていると見える。
昔からの,私との縁を、大事に思ってくれているのであろう。


しかしながら、今年は伝言どころか、息子さんの姿、そのものが見えない。
夫人の安否が気遣われる。
何しろ、高齢である。
梅のことなんか、その脳裏から、消えてしまった可能性もある。


私が梅ジャム作りを始めて、もう10年近くになる。
私は料理は一切やらない(出来ない)のだが、この梅ジャムだけは別だ。
近隣や知人にお配りすると、好評なものだから、そして、度重なるうちに、
すっかりコツを会得してしまい、自分でも自信を持ったものだから、
毎年これを作り続けている。
初夏の風物詩と、自分で言うのはおこがましいが、実際、
出来上がったジャムをトーストに塗って食べると、爽やかな風が、
身体を抜けて行くような気分になる。


「今年はやめたら」
妻は、嬉しそうだ。
昔から、私のやることに、いい顔をしないのである。
調理には特にだ。
凝り性の私が、料理に目覚めてしまい、遂には、その技量において、
自分を凌駕するのではないか、主婦の面目が、
丸つぶれになりはしないか・・・
そんなことを、恐れているからではないかと、私は思っている。
実際に、私の卓越は、梅ジャムの一事をもっても、示されてしまった。


「お父さん、近くの農家でね、梅が1キロ300円で売りに出ているけど、どうする?」
娘から電話がかかった。
「保留」
こう答えるよりない。
私が、梅を買った途端、住吉邸の息子さんが、現れるような気がしてならない。


15キロはあるな・・・
20キロあるかもしれない。
これを皮算用というのだろう、今朝も、住吉邸の梅を眺めて来た。
落果が始まっている。
黄色い梅が幾つか、垣根を越えて、道端に落ちている。
私はそろそろ、態度を決めなければならない。
風物詩を、今年は諦めるかどうかである。


* * *


寝不足が続いている。
ワールドカップのせいだ。
四年に一度、これに悩まされて来た。
時差があるからだ。


今回は、まだいい。
ヨーロッパでやるよりは、ほんの少しだが、時間が早い。
日本時間の、午後8時30分、キックオフ。
これはむしろ、幸いなくらいだ。
11時キックオフ。
これも許せる。
翌午前3時キックオフ。
これが無理だ。
再放送を見るよりない。


開会以来、毎晩1時就寝が続いている。
昼間は、眠くて眠くて、もう使い物にならない。


「そんなに面白いの?」
「はい」
「見なきゃいけないの?」
「はい。見ないと生きて行けません」


結婚以来、4年に一度は、妻とこんな話になる。
結婚して38年だから、もう10回くらいやっている。
今はもう、儀式みたいなものだ。
私のサッカー狂いが、治癒するはずなんかないと、妻だってとっくに承知している。
私も同じ。
妻をサッカー好きに変えようなどと、つゆ思っていない。


日本代表が勝った。
1:0だが、勝ちは勝ちだ。
「この喜びを知らないで、のんびり寝ていた人も、居るんだよなぁ」
翌朝、テレビの騒ぎを見ながら、ここを先途と言ってやった。


毎日昼間は、ぼーっとしている。
夕闇が迫るにつれ、元気が出て来る。
これが、一ヶ月続く。
 
 * * *
 
関東も梅雨入りしたようだ。
私の中山道歩きは、下諏訪まで達し、次の旅程で、木曽路へと入ろうとしている。
いよいよである。
奈良井宿など、中山道の佳境を通って行く。


一旦旅に出たら、三日くらいは歩き続けたい。
東京から遠くなって、次のスタート地点までの、
行き帰りに時間がかかるからだ。
もちろん交通費の問題もある。


東京と長野県の、天気予報を見比べては、ため息ばかりついている。
三日と言わず、二日も晴が続かないからだ。
こちらが晴れていても、あちらは傘マークだったりする。
いっそどちらも雨続きなら、私だって、諦めもつくのだが、皮肉にも、
途切れ途切れに、晴天がある。
これがいけない。


 * * *


私は目下、幾つかの懸案を抱え、少しばかり困っている。
そんなの悩みでも何でもないですよと、脇から言う人がいる。
これにも困っている。
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