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ニャンコ座リポート
匂いまでたちのぼってくるような文章 (4/15)
2024年04月15日
テーマ:テーマ無し
北海道新聞の夕刊が無くなって、その分読者の投稿が狭き門になりました。「読者の声」のテーマコーナーは、狙いどころだったのですが、何度か挑戦してボツになっていました。 それでもめげないで。3〜4月のテーマ「新生活」には、残っている10歳の記憶を、共有してもらえたらうれしいなぁと言う思いで、書きました。送ったのは先月で、すでにあきらめていたのですが、ファーチレの事を書かなければならない朝に、「なんでこのタイミングかなぁ」とは思いましたが、載せてもらえました。嬉しかったです。 わたしはずっと、「ですます調」で文章を書いてきました。「だである調」で書くと、何となく偉そうで、そこまで言い切る自信が無いのです。でも、「だである」のさわやかな文章に出会うと、うらやましく憧れました。余談ですが、だである調は「プロジェクトX」のように読むと、感じが出ます。 読者の声は、400字程度が条件です。毎日のブログは1,000文字位で書いていますから、その半分もない中で、どれだけ書けるか。無駄をそぎ落として、「だである」にしたら、その分書けることが増えるんじゃないかと言う変な動機でしたが、読み返すとテンポが出ました。 私の中では、カラー映像のように強烈に残っている10歳の思い出です。 送った原文は、↓以下です。タイトルが少し変わっていました。 カバーの香り 小学4年生の春、父の転勤で山の小さな学校に転校した。転校生が珍しかったのか、変にいじられることが嫌で、最初はうまくやって行けないでいた。学校は居心地良くはなく、休み時間は1人でいることも多かった。 新しい教科書には、転校前に住んでいた町の文房具屋で、母が買ってくれたビニールカバーがかかっていて、それは淡い色がついていて、安っぽい香水のような香りがした。 周りの子たちはカバーなどかけてはおらず、かけていたとしてもせいぜい包装紙などだったから、私の気持ちは微妙だったのだと思う。わざわざ私の所に来て、包装紙の柄を自慢する子がいたほどだから。 山の春は遅い。窓の外にはまだ雪が残っていて、明るい日差しの下でとけていくのを、ぼんやりと眺めていた。次の時限の教科書とノートを机の上に出して、クラスの子たちの喧騒がまるでBGMのようになり、教科書カバーから立ち上る香りに慰められて、私は新しい学校に慣れて行った。 感想をいただきました。嬉しいので、紹介させてください。☆今までと比べたら、文章の構成が違う気がするけど、変えてみたのかな?(だであるに気づいた)☆ポエムのようなエッセイのような、よい文章だと思います。☆素敵な文章です💓札幌で小学生時代を過ごしましたが、教科書にカバーをかけている子は1人もいませんででしたわ☆昔の教室の風景や匂いまでたちのぼってくるような美しい文章でした。 まるで短編映画のように情景が浮かんできましたよ🥰☆そんなこと知らなかった、気づいてやれなくてごめん (小学校の同級生に言われた) 私の人生は「歌う」・「作る」・「書く」だと思っています。書くことで、己の悲しみを救う。道綱の母が言っていました。あ〜、石山寺へ行きたい。
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