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読書日記
『ページをめくれば』 読書日記351
2024年03月28日
テーマ:読書日記
ゼナ・ヘンダースン『ページをめくれば』河出書房新社(図書館)
著者のゼナ・ヘンダースンは1917年アリゾナ州生まれ。50年代アメリカを代表するSF作家。長年、小学校の教師を務めた経験から生まれた「不思議な子供たち」を描いた作風はいまでも広く愛されている。1983年没。生涯に54篇の中短篇を残していて、代表作に、「ピープルシリーズ」(『果てしなき旅路』『血は異ならず』の2冊が翻訳されて出版されている)。
アメリカSFの最盛期は1940年代から60年代と言われていて、著者の作雛もそこに含まれるであろうし、私は幸いなことにその時代を少し追いかけてほぼ同時代に読んできたと言える。
内容:「忘れられないこと」「光るもの」 山田順子訳.「 いちばん近い学校」「しーッ!」 安野玲訳.「 先生、知ってる?」山田順子訳.「小委員会」「信じる子」「おいで、ワゴン!」「グランダー」 安野玲訳.「ページをめくれば」「鏡にて見るごとく-おぼろげに」山田順子訳の11篇で、この中では「小委員会」はファースト・コンタクトものに分類されるが牧歌的な話で私の好みであった。
で、言えることはこのSFの最盛期には現代ほど科学的知識がまだまだ一般化されておらず、作者たちは自由に想像力を羽ばたかせていて、おおらかだった時代だとも思う。また、同時にこの本や少し前に読んだシオドア・スタージョンの本に代表される様に「ちょっと不思議な感覚」があれば十分にSFであり、今だとファンタジーかホラーに分類されてしまいそうなものも当時のSFに含まれている(この違いを正確に書くのは私には難しい)。
(2024年3月7日読了)
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