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読書日記
『金曜日の本屋さん4 冬のバニラアイス』 読書日記349
2024年03月23日
テーマ:読書日記
名取佐和子『金曜日の本屋さん4 冬のバニラアイス』ハルキ文庫(図書館)
シリーズ4冊目にして最終巻である。そのことは内容紹介にも書いてある。
内容紹介
読みたい本が見つかる駅ナカ書店“金曜堂”。アルバイト店員の倉井史弥は、すっかり店にも馴染み、日々お客様に寄り添って、業務に励んでいる。とはいえ、じつは大型書店“知海書房”の御曹司である彼は、将来についていよいよ考えねばならない時期でもあった。幼い頃に別れた母との再会、イベントごとになぜか浮き沈みする金髪オーナー・ヤスとそれを案じる栖川、南店長への想い…大忙しの冬をこえて、倉井が見つけ出すものは?シリーズ最終巻、ほっこり胸キュンなラストを迎えます!
[目次]
第1話 100万回きたサンタ(佐野洋子『100万回生きたねこ』)
第2話 ステップ(北村薫『スキップ』)
第3話 銀河タクシーの夜(宮沢賢治『銀河鉄道の夜』)
第4話 金曜日の書店員たち(トルーマン・カポーティ『誕生日の子どもたち』)
あとがきにかえて
今回は珍しく2冊がかすっていた。それは『スキップ』と『銀河鉄道の夜』であるが、前者は『ターン』『リセット』とともに”時と人”と冠された三部作の中の1冊であるけれども、私は他の2冊は読んでいない。というか、私にとって、北村薫は1989年から作家活動をしているにもかかわらず、10年ほど前に発見した作家である。ところが驚くべきことにその十数年前にこの『スキップ』をなぜか読んでいた。おそらくあまり気に入らなかったのであろう。宮沢賢治は一応読んでおくべき作家だとは思うがこの『銀河鉄道の夜』も10年ほど前に改めて読んだだけである。
『100万回生きたねこ』も有名な作品であるが、絵本である故に私は読んでいない。図書館などで見つければ15分ほどで読めるはずだが・・トルーマン・カポーティは一番有名な『ティファニーで朝食』を高校生の時に読んだだけである。作者後書きによると作者は『誕生日の子どもたち』は本をまったく読まない友人が(内容をまったく知らず)誕生日のプレゼントに贈ってくれて読んだそうである。
さて、第1話は今までに何回か登場したオットーこと音羽先生の頼みで、とある優等生が「卒業せずに留年したい」という望みの理由を探る話。第2話は主人公である倉井史弥の前に突然海の母親が姿を現す話。なぜか父と別れて家を出て行きアメリカに住んで居るはずの母親が誕生日プレゼントを持って現れる。その理由はなんであったか・・実は母親も「書く人」であった。第3話は友人たち(?)に強制されて万引きをさせられそうになる高校生の話、それを阻止したヤスの恋心の話。
第4話は倉井史弥の就活の話。父が大書店の社長である史弥はそのきになれば父の跡継ぎになれる(はず)。少なくとも就職は容易だ。しかし、金曜堂から離れがたく思う史弥の撮るべき道は?史弥のあこがれの的である槇乃さんとの関係は?
ストーリーとしてはまだまだ続けられそうであるが、季節が春夏秋冬と一巡りしたところで作者は終わりにした。本を題材とする小説を書くことは大変なことなのだろう。とすれば、これで終わることにも納得はいく。
(2024年2月29日読了)
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