筆さんぽ

握手しましょうか 

2024年03月18日 ナビトモブログ記事
テーマ:筆さんぽ

「握手」は、不思議なものである。
ニュースで、国際会議で日本人が外国人と握手しているのを見たが、なんともぎこちない光景であった。

日本人は明治になって、
国家を生き残らせるためだろう
旧文化を大変革した。
人々は洋服を着て、靴をはいた。

しかし、理由はわからないが
握手は取り入れなかったので
日本人同士で日常的に握手をしあう
という光景は一般化していないように思う。

しかし、たとえば社長が営業成績のよい部下に
「よくやった!」と握手することがある。
気持ちが伝わるのだろう、
部下も「ありがとうございます」と握りかえす。

外国で日本人に出会うと
お互い、ひとり旅のときなどは
握手する。
これも、異国の地でお互い
「元気でやっていこう」という励まし合いだろうか。

日本の礼式は室町の武家礼式にはじまって
いまなおつづいているといわれる。

ニュースなどで、日本のエライ人と外国のエライ人とが
握手する画面が出ると、気をもんでしまう。
外国の人は直立して握手しているのに、
当方は握手したまま,礼をさらに加えて、
お辞儀をかさね、ペコペコして、
なにやらお代官さまの前に出た
農民のようにみえる。

といっても、そういう声が聞こえてくるからだろうか、
どなたも、そうなるまえと注意しているようである。

ただ意識し過ぎると、映画の感動シーンのような
大げさな表情をする人や、逆に、そうなるまいと思って、
ドアノブを開けさせまいと、
しっかりと握っているような感じの人もいる。

日本人は「握手の文化」をもっていないのだから、
不器用であってよいと思う。

礼は真心の形式化であると思うが、
少しでも相手への真心が入っていなければ、
かえって、いやなものである。

お辞儀であれ、握手であっても、
いい礼というのは受けたものに、
まばゆい輝きのような快感かが
おこるものであると思う。

人間関係のなかで、
もっとも気分のよいものの一つで、
人はみな、礼を心の花として待ち受ける。

それだけに、礼としての握手を功利的に
用いられると、潔癖症でなくても、
手を洗いたくなってくる。

といっても、スキンシップと考えれば
より互いの親密感を高め、
一体感を共有できる。

でも、やっぱり握手は苦手だな。



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

PR







上部へ