読書日記

『校閲ガール トルネード』 <旧>読書日記1564 

2024年03月11日 ナビトモブログ記事
テーマ:<旧>読書日記


宮木あや子『校閲ガール トルネード』KADOKAWA(図書館)

校閲ガールシリーズの3冊目にして最終巻。上田秀人のシリーズに慣れていると、たった3冊で終わり?と思ってしまうがこれはこれでちょうど良い長さなのかも知れない。

本書は以下の5編からなる。
第1話 校閲ガールと恋のバカンス 前編
第2話 校閲ガールと恋のバカンス 後編
第3話 辞令はある朝突然に 前編
第4話 辞令はある朝突然に 後篇
第5話 What the World is Gone〜快走するむしず
おまけマンガ

題から判る様に1・2話と3・4話は連作だから実質3編。
1・2話では主人公河野悦子とアフロヘア作家是永是之は無事に恋仲になる。第1巻では付き合うまでのあれこれエピソードで終わったが、今回は二人で軽井沢にバカンスのはずが、森尾登代子も友達4人と、そして藤岩りおんも恋人のくうたんと二人で軽井沢へと行き先がかぶってしまう。さらに極めつけは貝塚が仕事で軽井沢に来ていて見つかってしまった・・
ということで強引に誘われて作家・竜ヶ峰春臣邸でのパーティに参加しさらにその場で是永が別の作家森林木一邸での夕食に誘われる。2泊3日の貴重な1日が他人との交流で終わってしまうのが腹立たしい。というドタバタの話。

3・4話ではどういう訳か一時的に雑誌編集部で人出が足りなくなり、その補充として悦子にお鉢が回ってくる。配属されたのは結婚情報に特化した『Lassy noces』だが想像以上の忙しさに加えて悦子は自分が文を書けないことに気づく。結果、使えない人となった悦子は半年で元の校閲部に戻ることになる。という話。

そして、第5話は校閲部に戻った悦子は以前と異なり、文芸の校閲では無く雑誌の校閲をしている。あれやこれやの日常が描かれたあと、友人であった森尾登代子が退職することを知る。その転社先が高級モード誌『un jour』であることが判って納得(読者は第2巻でそうなるかもという感触を持っていたはず)。さらにモデルとして次第に売れ出した幸人がミラノでオーディションを受け合格。ただ、その条件がミラノへ転居することとなって悲嘆にくれる。という話。

ところで本書の第1話でまた国語辞書による「校閲」の語釈が載っているのだが、これが『校閲ガール』の第1話と同じ大辞泉のもの。他の話には語釈は無いのでこれは故意なのか本巻の校閲のミスなのか判らない。

ということで、校閲ガールはこれで終わりだが、著者の作品をもう少しだけ読んでみようと思う。
(2021年9月1日読了)



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

PR







掲載されている画像

上部へ