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読書日記
『こんちき』 読書日記317
2024年01月09日
テーマ:読書日記
諸田玲子『こんちき』文春文庫(図書館)
年の瀬に図書館で検索して見ると、「あくじゃれ瓢六」シリーズがずらりといつでも借りられる。しかも、年末年始の図書館の休館があって貸出期間の2週間が3週間に延びる。ということで思い切って瓢六シリーズ4冊と他に2冊の計6冊を借り出した。
さて、BOOKデータベースによると
色男・瓢六が、北町奉行所の同心・篠崎弥左衛門とともに、江戸の町の難事件を鮮やかに解決する捕物帖シリーズ第二弾。晴れて無罪放免となった瓢六だが、お袖と熱々の平和な日々も長くは続かない。わけありの母子を匿ったり、瓦版を作ったり、そして今度はお袖が牢に入れられる…!?痛快無比の時代小説。
今回も瓢六は高価な茶碗を探し出したり牢名主の跡目争いを解決したり。八重との関係にも進展が……。粋で愉快でほろりとする六篇。
ということで、その六篇とは
「消えた女」無罪放免となった瓢六であるがお袖との暮らしでは衣食住すべてがお袖餅のため暇でしようが無い。そこへ舞い込んだのが瓦版を作る話。出版元は賀野見堂という賀貸本屋の主人弐兵衛で、文は瓢六、絵は筧十五郎など役割を分担して奥医師と女浄瑠璃との情事の顛末を書き立てると・・
「孝行息子」賀野見堂から請け負った次の瓦版は放蕩息子の悪行を書き立てることであったが、実は息子自身が惚れた女性と結ばれることを目的として親から勘当してもらうために仕組んだ話だった。それでも息子は勘当されず・・
「鬼と仏」さる大名が将軍家から拝領した高麗茶碗が盗まれた。犯人は捕まっているが茶碗の在りかを頑として答えない。そこで瓢吉が入牢して聞き出そうとする話。盗人は極悪非道で盗み出すところを見つかると相手を殺して逃げた。が在所の村では江戸で成功した商人という触れ込みであった。
「あべこべ」お袖が簪を盗んだと捕まった。瓢六は無実の罪だと理解しているが奉行所の与力である菅野一之介はそれを利用して難事件を解決して貰おうとお袖に入牢を頼むといういつもとあべこべの立場に瓢六は立つ。瓢六はお袖の無実を証明し、お袖も事件の解決に役立つ。
「半夏」今度の菅野一之介の頼みは難題だった。牢名主の雷蔵が病み、溜に入って居る。すると牢内は二派に判れ互いに殺し合っている。それをなんとかしてくれという依頼である。それをまあ、なんとかしてしまうのが瓢六なのであるが・・
「こんちき」突然現れた金吉(コンキチ)という若者が幼馴染みの六助が無実の罪でとらわれているのを救ってくれと頼む。断りかけた瓢六だが、仲介者が恩人だと判ると一転して瓦版を作ることにする。同時にこの一巻の最初から出てくる謎の武家女とその息子をかばうための手立ても考え、両者を一体化して成功するのだが、肝心の金吉が姿を消し、六助も金吉なるものを知らぬという。謎のコンチキ。
『あくじゃれ』は真逆と思う様な設定であり、その続巻で本巻であるが、少し軟化した感じがする。脇役たちも次第に生き生きとしてきたような感じもして、続巻が待たれる。
(2023年12月23日読了)
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