筆さんぽ

あけましておめでとうございます 

2024年01月01日 ナビトモブログ記事
テーマ:筆さんぽ

憂きことも去年(こぞ)になりゆく今年である。
時の流れのなかに正月が毎年やってくるのは人間が定めた約束事である。

人間は惰性に流されるものなので、一年を区切って新年と定め、心を新たにする「よすが」としたのだろう。それは人間がおのれの愚かさを知っていればこその賢い知恵なのだろうか。

この「ブログ」には多様な方がいらっしゃる。平等や平和を愛する人となれば、心許せる友のような気になる。にやりと笑ってしまう川柳をたのしむ方、現代の歌舞音曲をこよなく愛する方、こつこつと小説家を目指す方、世界の旅に誘ってくれる方、プロフィールをのぞくと、旅のなかで好きになった土地で過ごす方などなどがいらっしゃる。
こう眺めると、人生にはいたるところに友がいるのである。人間、孤独をなげくことはないのだ。

正月気分と正月風景は、都会では手あかに汚れて年とともに薄らぎ、地方ほど古い姿が残っているのだろう。
ラジオで、地方の方が初詣の話をしていた。そこでは、神前で柏手を打つまでは人と口をきかぬしきたりだという。なんと心しずかで、おだやかなお正月であろう。

元旦や今年もどうぞ女房どの 吉川英治

元旦や猫は猫で我は我 風来

高校生になってからだろうか、ぼくは、トルストイに熱中すると同時に江戸時代の滑稽本や洒落本にも興味をもち、とくに文人としての平賀源内を好んだ。平賀源内の戯作者としての号は「風来山人(ふうらいさん じん)」であった。
それで、クラスのなかでは意気がって、自分を「風来山人」と自称したこともあった(女子には「風来坊」のまちがえじゃあないの?と言われた)。
おそまつさまでした。



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