じゃばのひまつぶし

補聴器の疑問 

2023年11月25日 ナビトモブログ記事
テーマ:暮らし・生活

補聴器は国産品に比べて海外製が高価なのが常識のようだが、それだけの違いがあるのか?
海外製のものを取り扱っているメガネ店で聞くと、国産品は海外製に比べて「一周り」遅れているということ。
一周りの意味はわからないが、説明では日本語は低音域の母音が多い。外国語は高音域の子音が多い。高齢になると高域の音が聞こえにくくなるので子音の聞こえがいい海外製が優れている、という説明になるほどと思った。
しかし、国産品がカバーできない問題ではないと思う。

図1は「加齢に伴う聴力の変化」の図で、横軸は音の周波数帯域で左が低い音、右が高い音。縦軸の左軸は難聴レベルに関係する音の強さを示す。曲線は年代別の周波数に対する標準的な感度。一般的に高音域ほど加齢で感度が下がる(聞こえにくくなる)。点線は私の聴力レベルのイメージですが、データをもらってないので正確ではなく、右耳が中度、左耳が重度の難聴に沿う曲線のイメージです。つまり右耳も年代の標準レベルよりもずっと悪い状況です。

図2は「オージオグラム」という生活周りの音がどういう周波数帯域でどの位の音量かの分布を示す。曲線は年代別の感度曲線で図1と同じ。黄色い領域は言葉の母音や子音の分布。母音は低音域、子音は高音域になる。この曲線よりも下の物の音は聞こえる。点線で追加した私の右耳のイメージでは犬の吠える声や母音は聞こえるが、小鳥のさえずりや子音のサ行・ハ行・タ行は聞き取りにくい。実際にメガネ店の試聴室でテストをすると小音量では子音の区別が難しかった。左耳は完全にアウト。救急車のサイレンや踏切の音は右耳で判別。

図3は各言語の周波数帯域で、英語は2000〜15000ヘルツ(Hz)、米語は1000〜4000Hz、日本語は一番低い帯域で125〜1500Hzと言われる。補聴器のメーカは北欧が多いが、デンマークなどの言語がない。ロシア語が近いとすると125〜12000Hzと一番広い帯域。この広い帯域をカバーできるから北欧製の補聴器は国産よりも優れているのだろうか。
しかし、図1・図2の周波数帯域を見ると高域は8000Hz程度あれば母音も子音もカバーできる。この程度なら国内の音響メーカは簡単にカバーできると思う。外国語は子音が重要だからという説明も国産品がカバーできないことはないと思う。単に補聴器の歴史からくる「舶来信仰」ではないのか?私は医療機器という名目でぼったくられていると思う。
国内メーカによるリーズナブルな価格で高品質の補聴器の開発の奮起を期待したい。

図はいずれもまともな機関などからの引用で、一応それぞれは正しい物と思われます。
取り込んだ図が不鮮明ですみません。下記のURLにきれいな図がありますので、お暇な方はご覧ください。
図1:50歳を過ぎたら要注意!加齢性難聴 耳が遠くなる原因とは
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_311.html

図2:オージオグラム(聴力図)とは?
https://www.signia.net/ja-jp/blog/local/ja-jp/what-is-an-audiogram/

図3:各言語の周波数帯域 (Takumi Ikeda氏) 図3の欄外の米語の下限は1000の間違いです。
https://note.com/iketaku/n/ncc7777a5a9cb



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