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読書日記
『小田原仁義』 読書日記273
2023年10月12日
テーマ:読書日記
井原忠政『小田原仁義』双葉文庫
三河雑兵心得シリーズの12巻目。今回は表題通りの対北条家編である。
内容紹介では
秀吉による天下統一の総仕上げとして、いよいよ北条征伐が始まった。
だが、北条氏の本拠である小田原城は、かつて謙信や信玄も落とせなかった天下の堅城。
さらには関東一円に張り巡らせた支城網により備えは万全だった。
これに対し、二十万人の秀吉軍は各個撃破を選択、徳川勢は東海道からの進軍を阻むため箱根に築かれた山中城を攻略することに。
茂兵衛率いる鉄砲百人組は西の丸の陥落を目指し、北条流の畝堀と堀障子に苦しめられながらも、知恵と根性をふり絞って少しずつ前進する。
戦国足軽出世物語、難攻不落の第十二弾!
6年半ぐらい前に本書に出ている小田原城や山中城に行ったことがある。まず初日は障子堀(山の斜面に作られた障子の桟の様な形の空堀)の遺構がある山中城と一夜城とも呼ばれる石垣山城を見て、2日目は小田原城の惣構えを見る為に半日余りをかけて歩いた。
およそ、2/3から3/4を歩いてみた(残りは城南東部と海沿いの部分)が、結構広く秀吉はのちに大阪城を作る際に惣構えを築いたという。
ということで山中城や小田原城攻めの内容はある程度、既知のことであったが、この戦で茂兵衛も三千石の領主となることになった。秀吉による家康の関東お国替えのおこぼれの一つである。とは言っても現在の茂兵衛は1200貫高(国数に直すと2400石)であるから
二割五分の増加である。この後、秀吉は文禄・慶長の役での朝鮮侵攻を経て8年後に死ぬ。とするとこの年に44歳となった茂兵衛も関ヶ原の戦いでは54歳となる。果たして大阪冬の陣・夏の陣に茂兵衛は参戦するのであろうか。おそらく老武者として参加するのであろうが・・
(2023年9月17日読了)
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