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読書日記
『西都の陰謀』 読書日記267
2023年09月30日
テーマ:読書日記
知野みさき『西都の陰謀』角川時代小説文庫
妖国の剣士シリーズの4冊目で、この巻で第1部が終了。10月から第2部の刊行が始まるらしい。
内容紹介の一部を改編して写すと
理術師の樋口伊織は、蒼太と女剣士・黒川夏野を同じ理一位の本庄に引き合わせるため、西の都である斎佳を目指すべく旅に出た。
道中立ち寄った町が妖魔の襲撃を受け、応戦することに。
戦いの最中、自身の力をうまくコントロール出来ない蒼太の身に妖魔が襲いかかる。
絶体絶命と思われたその瞬間、頭上に暗雲が立ち込め、稲妻が妖魔を撃ち抜いた。
これは己の力ではない、まさか妖魔の王・黒耀が──。
傑作時代ファンタジー第一部完結!!(解説・吉野 仁)
ということになる。第1部が完結したと言っても、様々な謎なりなんなりが未解決のままであるし、最初の出版時である2016年では唐突な終わり方だったと思う。続きが読めると判っていることは案外に幸せなのかもしれない。
さて、安良国では国皇「安良」は世襲では無く代々「安良」の記憶を受け継ぐ者が現れ国王となり、それを大老の鷺沢家が支えるという仕組みである。ほんの一時期だけ、鷺沢氏がその地位を失っていて、大老の座には西都・斎佳の重鎮である西原家が担っていた。そして、今、再び大老の地位を獲得しようと西原家が陰謀を企む。というのが大筋でもある。
妖魔が人間を襲う背景には前巻で登場した老術師の存在があったが、その件も含め一応の解決が出来たのが本巻。ただ、蒼太も夏野もまだまだ未熟であり、これからの活動が楽しみだ、というところで終わっているので、確かに待望の第2部であろう。
(2023年9月7日読了)
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