読書日記

『ふたつめの月』 読書日記215 

2023年06月18日 ナビトモブログ記事
テーマ:読書日記

近藤史恵『ふたつめの月』文藝春秋(図書館)

『賢者はベンチで思索する』に続く久里子シリーズの2冊目。

広告文は短い。
せっかく正社員になって頑張っていた会社をリストラされた久里子は実は自主退職扱いになっていたことを知る――その悲しい真相とは

また、別の内容紹介では
あの街灯を壊してほしい―。誰の何を守るために赤坂老人はあんなことをしたんだろう?恋も仕事もうまくいかなくったって、毎日はすすんでく。フリーター久里子が出会った日常の事件。

となっている。前巻の末で国枝老人は誘拐の容疑で追われ、国枝と言う名前さえあやふやになり、赤塚という姓ではないかと推測されるけれど・・誘拐された子供を親元に帰す手助けを久里子がして終わるのであるが、今巻の冒頭では、久里子はなんとか正社員となっており、職場のあこがれの先輩を目指して頑張っている・・

それが、いきなりリストラされ離職を余儀なくされる。あんなに両親が喜んでくれたのにリストラされたことを言いづらく、在職の振りして毎日定時に家をでる久里子が迷い込んだ交差点の陸橋にいたのはあの赤塚老人だった。ということで久里子が自主退職扱いになっている謎を探るのが、第一話「たった1つの後悔」。
第二話「パレードがやってくる」ではイタリアに行ったもとのバイトの同僚である弓田譲が年末に日本に帰国する。かれに淡い恋心を抱いている久里子はデートをしても楽しくない。そんな所へ弓田のことを「ゆず兄」と呼ぶ明日香という18歳の女の子が現れる。そして彼女の相談に乗ってくれと頼まれた久里子に、彼女は言う「人を殺すかもしれない」と。どうやら冗談で済ませられるような話ではないらしい。
第三話「ふたつめの月」は再び赤塚老人と犯罪との関わりが現れてくる。そして何者かにひき逃げされ入院している老人を久里子が見舞ったとき赤塚は言う「あの街灯を壊してほしい」と。それは何故?なんのために?と久里子は戸惑うが実行する、と言う話。一応、話の終わりに答えは示されるけれども(話中に出てくる半ば目の不自由な老女と血縁関係があるらしい)、赤塚とは一体何者かという点は判らないままであり、この2冊に続く話はいまだに書かれていない。
(2023年6月2日読了)



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