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読書日記
『うちの父が運転をやめません』 読書日記170
2023年03月18日
テーマ:読書日記
垣谷美雨『うちの父が運転をやめません』角川文庫
いや、驚いた。著者は『老後の資金がありません』(既読)、『貴方の人生、片づけます』(未読)『うちの子が結婚しないので』(未読)などその時々の社会問題となっている事柄をテーマにして書くことが多いが、どうやら私はその題名を見るだけで読んだつもりになっていたらしい。この本は、なにしろ、冒頭の1冊に続いての2冊目であった。こうして読書日記を書こうとして過去に読んだ本を検索したらそのことが判った。
広告文に曰く
お父さん、何歳まで運転するつもり? 「わしは死ぬまで運転する!」
猪狩雅志は高齢ドライバー事故のニュースに目を向けた。78歳といえば親父と同じ歳だ。妻の歩美と話しているうちに心配になってきた。夏に息子の息吹と帰省した際、父親に運転をやめるよう説得を試みるが、あえなく不首尾に。通販の利用や都会暮らしのトライアル、様々な提案をするがいずれも失敗。そのうち、雅志自身も自分の将来が気になり出して……。父は運転をやめるのか。雅志の出した答えとは? 心温まる家族小説!
という広告文でも判る様にいま流行りのテーマをとりあげてはいるのだが、「運転辞めない」問題は当然に一筋縄ではいかない。私自身、今のところ運転を辞めるつもりは無いこともあるけれど、これは交通機関の発達している都会とそれらが次第に廃止されつつある田舎とでは事情がまったく違うこともある。「自転車は(歩道ではなく)車道を走る」問題も同様に都会と田舎では事情が違うが、そういう事柄を全国一律に規制しようということにも問題がある、と私は思っている。
この小説では一応ハッピーエンドの形となっているが、結局のところ「自動運転車」が普及しなければ本質的な解決にはならないのではないかと、私は思っているし、開発・普及のスピードと私の老いとの競争である。ただ、自分が運転しなくなったとしても、免許の返上はしないだろうな。
(2023年3月10日読了)
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