読書日記

『いのち五分五分』 <旧>読書日記1333 

2023年02月07日 ナビトモブログ記事
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山野井孝有『いのち五分五分』山と渓谷社(図書館)

登山家・山野井泰史のことを知ったのは2014年である。沢木耕太郎のノンフィクション『凍』(2005年、文庫化2008年)を読み、続いて山野井自身の著作である『垂直の記憶』(2004年、文庫化2010年)、丸山直樹『ソロ』(1998年、文庫化2012年)と立て続けに読んだ。他にもNHKTVで放送されたものをビデオ化した『白夜の大岩壁に挑む : クライマー山野井夫妻』も購入したし、その文庫本化した『白夜の大岩壁に挑む : クライマー山野井夫妻』(2013年)も読んだ。

これらの読書歴は、ほぼ、6年前のことであるが最近、図書館の本を検索していたらこの本を見つけ、予約して借りた。著者の山野井孝有(タカユキ)は泰史の父であり、副題が「息子・山野井泰史と向き合って」ということで、親の目から見た山野井泰史・妙子夫妻の話である。

この本は2011年に出版されていて、題名の意味は「天国にいぢん近いクライマー」である息子の泰史が死ぬのと著者自身が死ぬのとどちらが早いかは「五分五分」だという思いからつけたようだ(今は著者の方があの世に近いという認識らしい)。本書中にはギャチュンカンからの生還(2002年)とその後のこと、泰史と妙子二人の結婚までの話や奥多摩町での二人の暮らし、そして新聞にも載った泰史が熊に襲われた話(2008年9月)など親の立場からのいきさつが書かれている。

改めて、山野井泰史・妙子夫妻の心のあり方と暮らし方を読み、それには言葉を失うしか無いのだけどその純粋さをうらやましく思う。特に、妙子という女性の素晴らしさには驚かざるを得ない。
(2020年5月31日読了)



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