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吾喰楽家の食卓

新真打の春風亭一蔵が『大工調べ』を熱演 

2022年11月03日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

この秋、落語協会では三人の真打が誕生した。
鈴本演芸場(9月下席)、新宿末廣亭(10月上席)、浅草演芸ホール(同中席)、池袋演芸場(同下席)の順に、昇進襲名披露興行が行われた。
いよいよ、11月上席は国立演芸場の番である。
国立演芸場へ行くのは月一回を目途にしているので、名人会や特別企画公演ではなく、定席から選ぶことを原則にしているが、11月は迷わず上席を選んだ。

二ツ目だった頃の高座は見ていないので、どの新真打がトリを務める日のチケットを取るか迷った。
新真打の師匠である春風亭一朝、柳亭市馬、入船亭扇辰の中から、最も好き一朝の弟子である春風亭一蔵がトリを務める日にした。
その日は四日あるが、日替わり枠で、三遊亭わん丈、春風亭一之輔、林家たい平が出演する初日を選んだ。
同じことを考える人は多いようで、チケットは順調に売れ、コロナ禍が始まってから初めてかもしれないが、満員御礼の立て看板が出た。

日替わり枠の三人は、人気者だけに、それぞれの芸風で笑わせてくれた。
仲入り前は、協会を代表して鈴々舎馬風が、近年の定番『楽屋外伝』を口演した。
口上は、司会の一之輔から、たい平、一蔵、一朝、馬風の順に並び、噺家らしい笑いのうちに進行した。
ヒザ前の一朝は、軽い噺の「雑俳」を口演し、トリの引き立て役に徹した。

トリを務める新真打の一蔵は、師匠の持ちネタの「大工調べ」を高座に上げた。
大工の棟梁が職人言葉をまくし立てる、喧嘩が見せ場の一つであるが、見事にこなした。
大河ドラマで出演者に江戸弁を指導した、江戸弁に明るい師匠から特訓を受けたのだろう。
トリだから許されるが、30分の持ち時間で50分近い長講でも、飽きることなく噺の世界に浸ることができた。

敬称略

   *****

写真
2022年11月1日(火)の国立演芸場玄関と演題

お礼
「22年10月の総括」に、拍手を有り難う御座います。この場を借りてお礼申し上げます。



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