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カシアス

荷物(3年前) 

2022年03月19日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

 40数年前、次男が誕生して一家は4人になり、
住んでいる団地が急に狭くなった。
止むを得ない、男の意地だと、一大決心をして
横浜の田園都市線沿線にそれなりの一戸建てを購入した。
サラリーマンが会社から資金を借りて郊外に家を購入する、
真面目に勤めて妻子を養いつつ、会社では階段を一段一段上る、
今思えば高度成長時代のサラリーマンの鏡だ。

 20年後、息子たちは就職して家出(独立とも言う)し、
私は新潟に転勤、横浜の家には誰もいなくなり、一家は離散。
新潟生活は8年半に及び、その後東京の会社へ転勤したが、
昼夜に亘って多忙で、横浜から1時間半の通勤は無理があると、
都心の人形町にマンションを買い、そこを本拠地にした。

 その間、横浜の家はいつでも住めるように維持して、
年末年始、5月の連休、8月のお盆休みなどはその家で過ごし、
リビングのガラス窓から庭の緑を眺め、
時折訪れるヒヨドリや目白等に癒され、別荘気分だ。

 結局、空き家状態は19年に及んだ。
この5年程、普段姫路に住み、時々人形町に戻る生活だが、
3軒目の家は、諸々の維持費もさることながら、
時々は風を通さねばなどと、何かと気にかかる。
息子達は東京勤務だが、それぞれマンションを購入し、
横浜の家には全く関心がない。

 仕方がない、家を整理しようと決意した。
昨年5月の連休、お盆休み、正月、1月、2月と作業を続け、
多量の粗大ごみをだし、家具を処分、全ての家電を廃却、
2月25日に、思い入れの深い家具3点と、段ボール30個を
人形町のマンションに運んで、終了。
作業の主体は我監視人殿だが、決して若くはない上に、
姫路から通っての作業は結構なものだった・・・らしい。

 空っぽになった室内は思いのほか広く、少し寒く感じる。
庭を見ると、梅の木は花が開き始め、桜の木は枝先を膨らませ、
足元ではクリスマスローズが、下向きの地味な花を咲かせている。
些か寂しい気もするが、背中の荷物が一つ軽くなった気分。



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