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カシアス

裏富海岸&田後漁港 

2022年09月02日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

 1997年、広島県福山市に単身赴任していた時の話です。
自宅は横浜で、大学に通う二人の息子は、
お金さえ置いておけば、母親は不要らしいので、
月に一回、金曜の夜に妻が新幹線で(監視に?)来ます。
仕方なく(?)土日は、鞆の浦や尾道を散策し、
時には、山陰、瀬戸内海、四国などの一泊旅行をした。
普段は土日も含めてスケジュールが埋まり、
時間に追われている我が身には、恰好の気分転換だった。

 ある雨上がりの夏の日、福山から、
JR、智頭急行、路線バスを乗り継ぎ、鳥取砂丘に行きました。
砂丘はそれな りでしたが、観光化が激しく、些か興ざめ、
再度バスで網代に向かい、裏富海岸の遊歩道を歩きました。

 遊歩道は5,6キロ程、リアス式に入り組んだ海岸に沿って、
曲がりくねり、小さなアップダウンもあります。
起伏に富んだ海岸と雄大な日本海の組み合わせは、
午後の明るい日差しと相まって、なかなかです。
他に誰もいませんから、時々は手をつなぎ・・・
一度、沖合に遊覧船が見えたので、
手を振ると向こうからも手を振った・・・ようです。

 1時間余りで最後まで歩き、更に先の田後湾の漁港に向かいます。
30分程歩き、坂を下ると小さな漁港に出ます。
民宿が2,3軒あり、途中、おばさんに出会ったので、
バスは何処からでるのかと聞くと、桟橋前の広場からだとのこと。

 広場は、バスがなんとかUターン出来る程度で、
一角にトタン屋根のバス停があります。
時刻表を見ると、岩美行きのバスは3時間後、
ベンチに座り、黙々と時間を過ごします。
店は一軒もなく、誰一人いません。
広場の向こうの桟橋に漁船が4隻ほど、静かに係留されています。

 暫くすると、年配のおじさんが、孫と思しき子供を連れて現れ、
桟橋で釣りを始めました。
糸をたれると、直ぐに鯵が釣れます。
5,6尾釣ると、さっさと店じまいし、
戻ってしまうのですが、この間、2,30分、
今日のおかずの分か、民宿のお客の分か、
兎も角、必要なだけ釣れば終わりです。

 やがて、バスが来て岩美に行き、JR山陰線で鳥取に戻る頃、
現実に戻ったような気がしました。



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