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カシアス

パンツをはきなさい 

2022年09月07日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

 2004年9月、日曜日の夕方、中越地震が起きた。
新潟市の会社に赴任して4年目の57歳、
敷地内にある社宅の3階に妻と二人で住んでいた。

 夕方5時過ぎ、風呂に入ろうと、
衣服を脱いで浴室に入った直後、
いきなりガタガタと揺れ始め、(後から聞くと震度5)
慌てて、浴室を飛び出して台所に出た。
冷蔵庫が揺れて倒れそうなので、手で支えた。
上に載っていたビニール袋に包まれた何かが滑り落ちたが、
兎も角、冷蔵庫の転倒を防がなければならない。

 揺れが一段落し、ほっとすると、
妻が、私を見て、パンツを履きなさいと言う。
確かに浴室からでて慌てて冷蔵庫を押さえていたのだから、
何も身につけていない。
すなおに、パンツを履き、室内を見回すが、
目立った被害はなさそうだ。

 5分後、もう大丈夫だと再度風呂に入ろうと、
再び裸になって浴室に入ったが、又突然揺れだす。
今度は震度4だったそうだが、
同じように慌てて浴室から出て、
今度は直ぐにパンツを履いた。
テレビを見ると、中越で震度7の大地震、
新潟市は震度5とのこと。
窓から外を見ても普段と変わったことは無い。

 30分ほどして、もう大丈夫だろう、三度目の正直だと、
三度衣服を脱ぎ浴室に入り、無事に浴槽に体を沈めた直後、
再々度、揺れだす。
最初はさしたる事もないと思ったが、
揺れがだんだん大きくなり、
湯が波打ち、浴槽から飛び出しそうになる。
浴槽で死ぬわけにはいかないので、前回と同様、浴室から飛び出て、
さっと体を拭き、直ぐにパンツを履いた。

 浴室入ると地震が来るらしいので、風呂は諦めて、
テレビで様子を見ていると、
会社から次々と電話がかかり、工場の状況を報告してくる。
結局、炉が2基停止しただけで、特段の被害はない、との事。
会社に一番近い私が風呂とパンツの事を考えている間に、
各部署の責任者が会社に駆けつけて、状況を把握して、
報告してくれたわけで、ただただ感心し、
自分も見習わねばと、心から反省する日曜日だった。



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