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吾喰楽家の食卓

『斜陽』に登場する金物屋 

2021年09月01日 ナビトモブログ記事
テーマ:生活

日曜日の午後、テレビを点けたまま、部屋の片付けをしていた。
テレビから、「阿佐ヶ谷」と聞こえたので、手を停めた。
阿佐ヶ谷に住んでいる阿佐ヶ谷姉妹が、笑福亭鶴瓶とサンドウィッチマンに、地元の穴場を紹介する番組だった。
私は阿佐ヶ谷の出身なので懐かしくなり、片付けを中断して番組を観ることにした。

一軒目と二軒目の飲食店は、全く知らない店だが、三軒目の金物屋は、地元民だったら大概の人は知っている店だった。
中学の同級生が、その金物屋の息子と小学校が同じだった縁で、彼と知り合った。
番組では、店主の男性と母親と思しき女性が対応していたが、年齢から判断すると、母親の連れ合いが私の知っている彼だったのだろう。
番組では彼に触れなかったけど、健在だと良いのだが。

昔からある金物屋とはいえ、平凡な店がテレビで紹介するのには訳があった。
太宰治の『斜陽』の一節に、「阿佐ヶ谷で降りて、北口、約一丁半、金物屋さんのところから右へ曲って半丁、柳やは、ひっそりしていた」とあるのは、この金物屋のことである。
「柳や」という小料理屋のことは知らないが、二、三丁ほど行くと左側クリーニングがある。(orあった)
高校を卒業したばかり頃だが、中学の同級生と金物屋の息子の三人で、クリーニング屋へ遊びに行った。

テレビを観ながら、クリーニング屋へ行った目的を考えた。
朝餉で、蜂蜜を付けたトーストとコーヒーを、御馳走になったのを思い出した。
男四人が、一夜を共にするのは、麻雀しかない。
テレビ番組がきっかけとはいえ、半世紀以上も前のことが矢鱈に懐かしいのは、老化現象かも知れない。

   *****

写真
2021年8月30日(月)の夕焼け

御礼
「今年15回目の猛暑日の食卓」に、拍手を有り難う御座います。この場を借りて御礼申し上げます。



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