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カシアス

カイロの忘れ物 

2021年05月01日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

 万事にそつが無いように見せているが・・・
実は結構おっちょこちょいで、
ケアレスミスが多く、忘れ物もままある。

 2008年の1月下旬、エジプトに出張した。
名目は仕事だが、実態は殆ど観光旅行、
国会なら野党に追及されそうだが、
税金を使っているわけではないから問題ないのだ。

 ヨーロッパ経由で地中海沿いのアレクサンドリアに行き、
某社を表敬訪問して出張の任務は完了。
翌日カイロに移動、ピラミッド、スフィンクスを見学、
個人旅行者に群がる現地人の多さには辟易だが、
それはそれで、何となく現代のエジプトらしい。
2日目はカイロ博物館に一日浸る。
3日目、朝早い便でルクソールに飛び、
王家の谷を見学し、夜カイロに戻った。

 次の日の早朝、帰国すべく、
ホテルからタクシーで空港に向かった。
15分ほどで空港に着き、
ルフトハンザのカウンターで
フランクフルトまでの搭乗手続きをする。
フランクフルトからはJALで成田に向かう予定だ。
手続き後、エグゼクティブルーム(待合室)に入り、
サービスのワインを呑み始めた時、
コートをホテルの部屋に忘れた事に気が付いた。

 日本は真冬だから、
自宅から成田までコートが必要だったが、
常夏のエジプトでは必要ない。
ホテルの部屋のクローゼットに掛けっぱなしにしていた。
搭乗開始時刻まで、まだ1時間以上ある。

 直ぐにルームの受付カウンターに行き、
事情を話して電話を借り、ホテルに電話して、
コートを忘れたと告げる。
求めに応じて、部屋番号、コートの特徴などを話すと、
少し待たされて、確かに部屋にあったとの事。
大丈夫だ、出発までには充分に間に合うから、届ける、
空港の何処に行けばいいのかと聞く。
聞いていたルフトハンザの職員に電話を替わり、
場所を説明してもらう。
コート一枚の事とは言へ、日本は真冬だ、なければ困る。
一件落着、ほっとして再びワインを飲む。

 ところが、いつまでたっても、コートが来ない。
搭乗時刻になり、他の乗客が全て乗ってしまっても来ない。
やはり、ここはエジプト、期待するのが間違いだったと、
搭乗口に向かうと、
ルフトハンザの職員(40歳くらいのおばさん)が、
その辺の紙切れを差し出し、
これに日本の電話番号を書いてくれ、
ルフトハンザは毎日成田に飛んでいるので、
コートを手荷物で届ける、と言う。

 小さな紙切れに慌てて自宅の電話番号と名前を書いたが、
これはだめだなと、諦めの心境だ。
フランクフルトからはJALだから手荷物の権利はないし、
紙切れ一枚に書いたものが、尊重されるとはとても思えない。
何と言ってもここはエジプトだ。

 コートは諦めてフランクフルト経由で成田に着き、
横浜の自宅に戻った。
と、久々に顔を見た家内が、コートを忘れたでしょ、と言う。
聞けば、成田のルフトハンザから電話があり、
コートが届いたので、送ります、住所を教えて下さい。
ただし宅急便代はそちら様のご負担です、との事。
流石にルフトハンザ、宅急便代の請求もあわせて、
如何にもドイツらしい。

 当時はコート1枚で一冬を過ごしていたわけで、
それで特に違和感なく、問題もなかった。
断捨離を進めて、あの頃に戻ろうか、と思わぬでもない。



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