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吾喰楽家の食卓

蕎麦の食べある記 No.02 

2019年12月04日 ナビトモブログ記事
テーマ:食べある記

続 根津「よし房 凜」 −気配りの店−

整形外科の診察を済ませ、強い雨が降る中を根津神社に寄ってから、「よし房 凜」へ向かった。
不忍通りに出て、横断歩道を渡ると店に着く。
格子戸のガラス窓から店の中を覗くと、女将さんが右手で席に案内する仕草をした。
傘立ては一杯で、折畳み傘を入れられる場所がなかった。
少し迷って、雨で濡れた傘を丸め、軒下に置いてある濡れた縁台の隅に置いた。

この店には、4人用テーブルが2つ、2人用が4つ、計16席ある。
4人用を1人か2人で使っていれば、相席になることもあるが、2人用は1人でも、そのままだ。
だから、満席でも、実際の客は10人前後のことが多い。
無理やり客を押し込めないのは、この店の気配りなのだろう。
この日は、荒天が幸いしたのか、正午を少し過ぎていたのに、2人用のテーブルが1つ空いていた。

気配りは、これだけではない。
何年も前のことだが、蕎麦を食べ終えて、お茶で薬を飲もうとしたら、間髪を入れず、女将さんが水を持ってきてくれた。
だから、何か用があって顔を上げても、すぐに来てくれるのは言うまでもない。
サービス業だから当たり前かも知れないが、近年、当たり前のことができない店が何と多いことか。
今回、他にも脱帽する出来事があった。

待っている客は居なそうだったが、人気店で長居は無用である。
“せいろ”と“小天丼”を食べ終え、早々に勘定を済ませて店を出ようとしたら、女将さんが先に出て、ポリ袋から出したのは、私の折畳み傘だった。
雨の中に放りだしておいた傘を、いつの間にか仕舞ってくれたのだ。
店に入る私の様子を中から見ていて、やってくれたらしい。
こんな気配りまでしてくれる上に、蕎麦が美味いのだから、繁盛しない訳がない。

写真
12月2日(月)撮影:雨の根津神社



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