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パトラッシュが駆ける!

ラグビー今昔 

2019年10月05日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

私は高校時代、サッカー部に入っていた。
ありふれた公立校であり、格別有能な選手が居たわけではない。
地区の高校が幾つか集まり、リーグ戦を行っていたその中で、
毎年最下位であった。
当然に、校内でのサッカー部のステータスは、高くなかった。
もっとも、それを言えば、他の運動部だって、
似たりよったりではあったのだが。

それでも、部員の多くが、練習熱心であった。
サッカーが好きであると共に、いささかの誇りもあった。
これほど男らしいスポーツはない。
テニス? あれは女子のスポーツだ。
卓球? せせこましい。
バレーボール? 敵とぶつからない。
バスケ? コートが小さい。
野球? 動いているのは、ピッチャーとキャッチャーだけじゃないか。

これらの欠点を、全てクリアーしたのがサッカーだ、
雨の日も雪の日も、練習を休まない。
泥だらけになり、広いグラウンドを走りまわる。
時に相手の選手と激突もする。
サッカーこそボールゲームの王者だ、くらいに思っていた。

後年、やはり高校時代にサッカーをやっていた男と、
語り合うことがあった。
「卓球やテニスをやる奴らを、軟弱だとして、
バカにしていました」
「そうそう、あれは女子のやるスポーツだと言って……」
たちまち意気投合したことがある。
私だけではない。
サッカーをやる連中は、多かれ少なかれ、
同じ思いを抱いていたと知った。

そのサッカー部員が、さらに一目置く球技があった。
ラグビーそしてアメリカンフットボールである。
激突、そして泥まみれということになると、
あれらこそ、サッカーの上を行く激しさがある。
とても敵わないな……という思いがあった。
幸か不幸か、我が校にはラグビー部がなかった。
アメリカンフットボールは、さらにない。
あれは、装備に金がかかる。
そして両者とも、芝のグラウンドでなければ、行い難い。
我が校のように、土の校庭で行う球技では、
サッカーが限度であった。

と言う訳で、昔ラグビーをやっていた男と出会うと、
私は畏敬の念を抱く。
「体重百キロを超えるような、大男が突進して来る。
その足元を目がけ、タックルに入るんだけど、正直怖いよ」
なんていう話を聞くと、自分にはとても出来ないなと思う。
「それでいて、紳士のスポーツなんだ。
トライを取ったって、サッカーのように、
鬼の首を取ったような、喜び方はしない。
僅かに片手を小さく挙げて、喜びを表すくらいだ」
昔の話である。
今はラグビーだって、かなりの大喜びをやる。
時代というべきであろう。
かつてのラグビーは、その激しさと裏腹に、謙虚の二字が似合う、
地味なスポーツであった。

 * * *

そのラグビーのワールドカップが行われている。
世界の強豪が、日本のグラウンドで戦う。
普段はろくに、テレビを見ない私が、ラグビー中継だけは必ず見ている。
日本の対ロシア戦、対アイルランド戦など、実況中継を見て、
翌日また、再放送をも見ている。

どの試合会場も満員だ。
その中に、女性が多い。
かつてなかったことだ。
これもワールドカップ効果の一つであろう。

一つ気になることがある。
我が日本チームに、少なからぬ、外人さんが加わっていることだ。
一目見て、肌の色、髪の色が違う。
顔の造りが違う。
なんだ、助っ人だらけじゃないか、
これが国を代表するチームなのかと、違和感を持つ人も居よう。
その気持、よくわかる。
私自身も、そう思っていた時期があったからだ。

かつて知人が言った。
テニスの大坂なおみ選手が、全豪オープンを征し、
世界ランキング一位に躍り出た頃である。
「そりゃ、偉業だとは思うけど、でも私、あの人を素直に、
日本人と認めにくいの」
おそらくは、その肌の色のせいであろう。
そして日本語を喋らない、そのせいでもあろう。
なんと狭量な……と私は思った。
外形で人を判断してはならない。
人種により、偏見を持ってはいけない。
私は、その知人のような考えを、持つまいと思った。

他の多くの競技が、国籍主義に取っている中で、
ラグビーだけが、所属協会主義を採用している。
三年間その国に居住し、その国の協会に所属するなら、
代表にも選ばれる。
そういう制度である。
今やグローバル化の時代だ。
世界的視野で、物事を考える際に、区々たる国籍にこだわる必要はない。
ラグビーはむしろ、他競技より進んでいる。
と思うようになった。

今は違和感なく、彼らを含めた日本チームを眺めている。
頼もしい味方じゃないか……
巨躯を利した、その突進に、思わず「行け行け」と声が出てしまっている。

 * * *

十月二日午後七時より、カナダ vs. ニュージーランドの試合が行われた。
メイプルリーフとオールブラックの激突であり、
これは見逃すことが出来ない。
何たる皮肉であろうか、同時刻にサッカーの試合があった。
アジアチャンピオンシリーズの準々決勝であり、
我が国の浦和レッズと、中国の広州恒大が対戦した。

私にとって、サッカーは、三年間を共に過ごした同棲相手のようなもの。
一方でラグビーは、眺めるだけに終わった、高嶺の花。
どちらも捨てがたい。
さあ、困った。
どちらも見たいが、テレビは一台、この身は一つ。
チャンネルを替えに替えまくり、両者を寸見(ちょっと見)するつもりであった。

しかし結局、九割方、サッカーを見てしまった。
浦和の方が、より気になる。
偉そうなことを言っても、私は結局、国籍主義から逃れられない。
2:0で浦和が勝った頃には、ラグビーのことをすっかり忘れていた。
いざとなると、サッカーを取る。
三年間、苦楽を共にした相手と、眺めただけの花、その差は結局、
こういうことなのかもしれない。



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台風が……

パトラッシュさん

yopikoさん、
テニスでしたか……正に女子向き、よろしいではありませんか。
ラグビー観戦の女子、確かに多いです。
昔と様変わりしています。

さて、対スコットランド戦です。
台風が心配です。

余談ながら、先日また、飯田を中心とする、南信地方を旅しました。
今回は、満蒙開拓記念館には寄りませんでしたけど。
美味しいものをたくさん食べ、楽しい旅でした。

2019/10/11 10:12:09

スポーツ観戦大好き

yopikoさん

パトさん
私、中学時代テニス部でした。
うふふふ

テレビでラグビー観戦してると
応援してる女の子が可愛いね
と夫が言ってます。

何を観てるのやらですが
ラグビーは本当に面白いですね

2019/10/10 22:09:28

ワールドシリーズ楽しみですね

パトラッシュさん

まはろさん、
アメリカでは、フットボールと言えば、アメリカンフットボールを指すのでしょうね。
ラグビーとの違いは、アメリカンフットボールが、プロテクションを付けるのに対し、ラグビーは無しです。
その分、ルールでもって、反則行為を防ぎ、選手の安全を確保しているとも言えます。
どちらにも、一理があります。
最終的には、ファンがどちらを好むか……ということになりそうです。
アメリカでは、やはり野球でしょうか。
アメリカンフットボールもベースボールも、アメリカで生まれただけに、人気があるのも、当然でしょうね。

2019/10/05 18:05:15

ラグビー

まはろさん

パトラッシュさん今晩わ

私ラグビーの事は知りませんでした
TVのドラマでノーサイド・ゲーム(大泉洋)をみて凄いまるでアメリカンフットボールと似ていて しかも
protection を付けないでの激しさに驚きました

ワールドカップ 凄かったでしょうね
本当の試合見たいと思いました

アメリカは野球のワールドシリーズがもうすぐ始まります今年はヤンキーの田中とドジャースの前田がプレーするチャンス??がありそうなので楽しみに待っています

2019/10/05 17:30:46

紙一重

パトラッシュさん

漫歩さん、ご不満はごもっとも。
各競技の経験者から、異論の出ることを承知で書いております。(笑)

今宵は決戦です。
アイルランドに勝ったのだから、サモアなんて……と侮るのは禁物、実力差は紙一重だと思います。
何とか勝ってほしいと思います。

2019/10/05 15:59:40

ラグビーは魅力的!

漫歩さん

私の高校時代は、サッカー部やラグビー部はありませんでした。殆んどの高校がそうだったでしょう。
グランドの主役は私の居た野球部でした。
ですから、パトさんの文中2行には承服致しかねますが(笑)総じて思いは同じです。

2時間30分後テレビ桟敷に移ります。

2019/10/05 14:15:20

素晴らしい

パトラッシュさん

喜美さんの一族は優秀ですから、お孫さんもきっと、文武両道に秀でておられたのでしょう。

私が思うに、ボールを見ると蹴りたくなるのは、
人間の本能なのでしょう。

2019/10/05 13:54:30

サッカー

喜美さん

孫がサッカー大好きで中学入学の時
娘は息子が目覚めて進学校に行く気持ちになつたと喜んだのも束の間
サッカーが有名な中学だったらしく
夢中でやっていましたし今でも
その人達と出掛けるらしく孫にもボール蹴らしています

2019/10/05 12:55:47

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