気紛れに 言の葉揺らす 風になる

油 

2019年06月23日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

遠くの町から夜逃げ同然に引っ越してきた家族の中に、リサという器量の良い娘がいて、近くの公立高校に入学すると直ぐに評判になり、たくさんの男の 子が興味を示したが、リサは貧しい家庭を恥じ、誰とも付き合おうとはせず、一人で黙々と勉強し、手先が器用で物作りに興味ができ、高校を出ると中堅機械メーカーの工員になり、油の付いた作業服を着て仕事をしているリサの美しさは輝くばかりだと、街の人達は仕事場を通る度にリサの姿を探し、高校時代からリサに興味を持っていた同級生のケンもその一人で、近くの中堅電子機器メーカーに通勤する朝夕に会うリサと短い言葉を交わしたが、学校を出てから知った短歌に興味を持ち、歌を詠み始めて一年ほど経った六月の朝、思い切って自分の作った歌を書きつけたメモを「これ、読んでみて」とリサに手渡す。(6)幾年も 眺め暮らした 笑顔から 油拭き取る 機会が欲しい返事など全く期待していなかったケンだが、三日後の朝、「これ、お返し」と言ったリサから小さく折りたたんだ紙を受け取る。(7)幾年も 心閉ざして 暮らす日々 錆びた戸開く 油が欲しい間もなく、街の人達はリサとケンが並んで歩く姿を目にするようになる。2019−06−23

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