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吾喰楽家の食卓

ガンバ芸協 

2019年03月23日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

東京には、狭義の意味での定席寄席が四席ある。
その寄席には、噺家と同じように序列があるらしい。
真打昇進や襲名披露は、鈴本演芸場、新宿末広亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場の順に興行をやる。
現在、桂米丸や三遊亭遊三などが所属する落語芸術協会(以下・芸協)は、鈴本演芸場(同・鈴本)に出演できない。
鈴本は、落語協会(同・落協)だけの定席だ。

その昔、落協と芸協は、鈴本で交互に興行していた。
ところが、芸協の番は、客の入りが悪かった。
鈴本の席亭は、採算を考え、両協会合同の興行を提案したことで、芸協と諍いになった。
「合同では出ない」、「それなら、出るな」、売り言葉に買い言葉である。
両者を仲介する動きは、何度かあったらしいが、未だに仲直りしていない。

昨年、他界した桂歌丸は、芸協の会長として、長いこと尽力してきた。
晩年は廃れた演目の掘り起こしや、圓朝作品を長講で高座に上げるなど、大きな足跡を残した。
会長を補佐した副会長の三遊亭小遊三が、昇格すると思ったら会長代行に甘んじた。
その訳を知らないが、本人は会長になりたくないらしい。
最近、下ネタが多いのは、「会長のニンではない」という、本人の意思表示だと言う人も居る。

20日の朝、パソコンを開くと、「落語芸協 新会長に春風亭昇太」の文字が目に留まった。
前日の理事会で、内定したという。
会長職に食指を動かしていた噺家を知っているが、人望があるとは思えなかった。
春風亭昇太の会長就任は想定外だったが、明るい性格だし、年齢的にも働き盛りなので適任だと思う。
笑点の司会に続き、今度は芸協の会長を、桂歌丸から引き継ぐことになった。

人情噺を始め古典落語が好きなので、新作落語をやる春風亭昇太の高座は、数回しか見たことがない。
先日のテレビ番組で、彼の落語論を聞いて心に響いた。
昔昔亭桃太郎の影響もあるが、最近、新作落語も面白く感じるようになった。
新会長は、従来の会長と、芸風も人柄も異なる。
大きな足跡を残した桂歌丸でも成し得なかった、鈴本との和解は、春風亭昇太なら出来るかも知れない。

   *****

写真
3月22日(金)撮影:鉢形城の氏邦桜



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かめきちさんへ

吾喰楽さん

おはようございます。

二年前の国立演芸場で、一琴さんを一度だけ見たことがあります。
師匠は、小三治師でしたね。

最近、落協と芸協は、若手を中心に交流があるようです。
また、落協から独立した、立川流や五代目圓楽一門会も、定席寄席には出演できません。
その点、国立演芸場は、定席(上席・中席)を除く、名人会や花形演芸会などには垣根がありません。

2019/03/23 08:16:58

複雑な世界ですね

かめきちさん

本格的な寄席には行った事はありませんが、落語は大好きです。因みに私は「一琴師匠」が好きです。どの世界も同じですが、落語の世界も中味はドロドロしたものがあるのですねェ。

2019/03/23 07:54:58

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