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吾喰楽家の食卓

初めての涙 

2019年03月15日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

国立劇場で、泣いてきた。
大劇場ではなく、小劇場での歌舞伎公演は、十二年ぶりらしい。
今回、桜が印象的な『元禄忠臣蔵』と『積恋雪関扉』の二作品が上演されている。
初めて見る中村扇雀と、お馴染みの尾上菊之助が、どんな演技を見せてくれるか楽しみにしていた。
『元禄忠臣蔵』で徳川綱豊を演じた、中村扇雀を中心に感想を記す。

小劇場は六百席弱の劇場で、日頃、文楽などが上演されている。
大きな劇場では、文楽の人形が見えないから、小劇場がいい。
今回は、花道を設けてあるから、客席は更に減っている。
だから、殆どの席が一等席だ。
最後列の二等席でも良く見えるが、今回は奮発した。

開演直前に読んだ、『元禄忠臣蔵』のプログラムによると、後に六代将軍家宣になる綱豊と、浪士助右衛門の問答が見どころらしい。
幕が上がり、直ぐに、いつもと違うことに気が付いた。
台詞の殆どが、理解できるのだ。
狭い劇場だから良く聞こえるのだろうが、台詞の言葉自体が易しいのかも知れない。

扇雀は、長い台詞が多いのにも関わらず、滑舌の良い台詞回しが素晴らしかった。
次期将軍候補という、身分に相応しい品格がある。
切々と心情を語る場面を見ていて、思わず涙が出てしまった。
落語の人情噺だと、決まった場面で涙が滲むが、歌舞伎では、初めての経験だ。
千穐楽を見たくなったが、今からでは都合がつかない。

   *****

写真
3月14日(木)の昼餉(ソーセージエッグ定食)と国立劇場(小劇場)



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