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王子の狐 

2018年06月03日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

六月は、国立演芸場から始まった。
上席(先代馬生三十七回忌追善)の初日に行った。
勿論、お目当てはトリの当代馬生だ。
上席の期間を通じ、先代の十八番を、日替わりで口演することになっている。

一日は、翌月定席(上席・中席)のチケット発売開始日である。
シルバー料金はパソコンでは扱わないので、電話をするのだが、その電話が中々通じない。
そこで、ついつい、一割引に甘んじて、パソコンで買ってしまう。
少し早く家を出て、十時前に国立演芸場へ着けば、十時に窓口で買うことができる。
予定した時間に着き、七月上席二枚、中席一枚のチケットを、シルバー料金で買うことができた。
上席の二枚は、桂夏丸と神田蘭が、一日交替で真打昇進披露をするからだ。
少し迷ったけど、両方とも見ることにした。

開演まで二時間あるので、伝統芸能情報館で歌舞伎か文楽の記録映像を見る予定だった。
ところが、展示物の入替作業中で、一階は閉館していた。
やむを得ず、二階の図書室で過ごすことにした。
特に当てはなかったが、偶々、志ん生の『柳田格之進』が目に留まり、読むことにした。
この日の馬生師の演題は『王子の狐』だが、千穐楽の『柳田格之進』も見ることになっている。
『柳田格之進』は、風流寄席で三遊亭鳳楽の口演を見ている。
当代馬生は、志ん生の孫弟子だ。
三遊亭と古今亭を聞き比べることになるので、楽しみにしている。

昼餉を済ませ、国立演芸場へ戻ると、既に開場していた。
場内に入ると、前後の席はガラガラだが、中央部だけ埋まっていた。
その数、七・八十人ほどである。
座席数は三百だから、結構な割合だ。
馬生がトリを勤める公演は、後援会と思しき団体客が多い。
師匠の気さくな人柄故だろう。

『王子の狐』は、お馴染みの古典落語だが、実演を見るのは初めてだ。
持ち時間は、通常の三十分より五分長いので、たっぷり見られると期待した。
短いマクラで、「次の五十回忌には、私は居ない」と、云っていた。
自身では最後の追善公演と思っているからか、中々、気合の入った口演だった。
以前、『安兵衛狐』で、狐の所作を見ているが、それと同じに愛嬌もある。
師は、私より学齢は一つ下だが、同い年である。
次は、五十回忌を目指し、元気で活躍してほしい。

『王子の狐』のあらすじ
http://ginjo.fc2web.com/34oujinokitune/oujinokitune.htm

   *****

写真
6月1日(金)の国立演芸場の玄関と演題



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