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絶品の鶏つくね　

2018年04月09日
テーマ：男の料理

吾喰楽家の食卓のポリシーは、“簡単に”が、その一つである。
一人暮らしを始めた頃は、現役のサラリーマンだったから、平日は料理を楽しむ時間の余裕などなかった。
のんびり、朝餉の支度をしていたら、会社に遅れてしまう。
仕事を終え、腹を空かせて帰宅したら、何でもよいから早く食べたい。
“簡単に”には、「技術的に難しくない」の他に、「短時間でできる」という意味合いもある。
一般的ではないが、簡単の「単」の字を、短いの「短」を充てる書き方もあるのだ。

昨日の夕餉は、“簡短”ではなかった。
使い損なって冷凍しておいた、地鶏の挽肉を使うことにした。
鶏そぼろも考えたが、晩酌の肴には相応しくない。
思い付いたのが、鶏つくねの串焼である。
下ごしらえには、時間が掛かった。
副菜は、前日の真鱈の煮汁を再利用して、大根を煮たから、更に時間を要した。

落語や歌舞伎を楽しんだ日は、なるべく、自宅で夕餉を食べることにしている。
チケット代や交通費で散財したのだから、なるべく、夕餉は倹約したいという気持からだ。
勿論、連れが居ないことが、前提ではある。
上席の二日目のことだったが、その晩は冷蔵庫に何もなかったので、自宅の近くで軽く飲んで帰った。
肴はカワハギの胆造りを頼んだが、肉も食べないといけない。
鶏つくねの串焼も追加したけど、食感が今一だった。

当初は串に刺そうと思ったが、厄介なので、ミニハンバーグ風に替えた。
地鶏の挽肉に、これまた使い損ねた、レンコンを混ぜ込んだ。
半分を摺鉦で下ろしてツナギに、残りは粗みじん切りにして歯応えを良くした。
味は云うまでもなく、時間を掛けた甲斐があった。
挽肉とレンコンのコラボが、「素晴らしかった」の一言である。
自画自賛は分かっているが、一人で食べるのは勿体ないくらい、本当に美味しい鶏つくねだった。

　　　＊＊＊＊＊

写真
4月8日（日）の昼餉（コロッケバーガー）と夕餉（鶏つくね）

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