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2018年03月17日 外部ブログ記事
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 読後感想文

 写真は仁和寺。本館内のツアーの始まりです。

 先日、かわさき市民アカデミー(首都圏・関西圏シニアカレッジ交流会)でお目にかかった東京理科大学学長、藤嶋昭先生(29年文化勲章受章、「光触媒」の働きで新発見)から頂戴した本、「無人島に生きる16人」を読み終え、感想文を書きましたので、異例ながらブログに公開します。


「無人島に生きる十六人」須川邦彦著 新潮文庫 を読んで   2018年3月15日
 
 無人島での生活体験に係る書籍のなかで、ロビンソンクルーソーの体験談について読まれた方は多いと思います。本書は明治36年、共昌社(三重県津市にある出版社)から発行された「冒険実話 りゅうすい丸漂流記」大道寺謙吉著が実話として新潮文庫より復刻版として発行されたものです。
 
 著者、須川邦彦氏は1880(明治13)年、東京生れ。1905年、商船学校航海科卒後、大阪商船に勤務。また、日露戦争に従軍し、水雷敷設隊として奮戦。第一次大戦では敵艦の出没する洋上に敢然、船長として乗り出し、日本海員魂を発揮した。その後、商船学校教授を経て、東京商船学校校長、海洋文化協会常務理事を歴任。1949(昭和24)年死去。著書に『船は生きてる』『象の話』『無人島に生きる十六人』があります。
 
 須川が東京高等商船学校の実習生として、龍睡丸の中川船長から聞いた実話をもとに、8百トンのシップ型帆船が悪天候の中で漂流し、ハワイに到着、日本に向かって帰国途上更なる難破で本船を失い、伝馬船でパール・アンド・ハーミーズ礁近くの無人島に漂着し、船長以下16名の乗組員の無人島生活が始まります。
 
 無人島にはかろうじて草が生えているだけで、水もなく、本船から運び出した限られた食料と、最低限の生活用品のみです。海水を蒸留し、雨水を蓄え、近くの無人島から難破船の木材を利用してエネルギー源とし、16名の乗組員たちは魚、亀等を食用とし、飢えを凌ぎ、船長のリーダーシップのもとに未来(明日)に希望を託した生活が始まます。厳しい現実を前にいささかも失望せず、何日も、何か月も懸命に過ごし、終に16名は偶然にも近くを通過した「的矢丸」に救助され、明治32年12月23日に無事に日本に帰国することになります。
 
 話は変わりますが、最近吉野源三郎著「君たちはどう生きるか」を読みました。この本も原作は明治中期に書かれた子供向け修身の本です。ところがいまベストセラーとして、子供向けの漫画本のみならず、多くの大人たちにも読まれています。難破船で無人島に過ごすことになった16名が卓越したリーダーの下、毎日希望を持ち、生活の工夫をし、学ぶ姿に心を打たれるのは、この時代の日本人の高邁な理想と志に心を動かされるからではないでしょうか。
 
 経済再建に明け暮れ、戦後の日本の社会にエコノミック・アニマルとして毒された私たちには、明治を生きた日本人の生きざまと、清らかで、逞しいい精神に心を揺さぶられます。終戦直後の復旧と混乱期は別にしても、日本経済の高度成長期以降の、日本をリードしてきた経済人、官僚、また政治家は、それぞれの役割と本文を忘れてしまっているかのように思われます。この二冊のが私の心を揺さぶるのは偶然の出来事ではないのです。海に囲まれた日本、光合成から生まれ植物・動物連鎖、人類とその歴史にまで思いを巡らせることの出来る読書の喜びを味うことが出来ました。
 
 今月のNPO法人プラチナ・ギルドの会の例会(3/27)では第5回プラチナ・ギルド アワードの受賞者の一人の、財団法人北里化学センター理事長 伊藤俊洋(宇宙生命学者)のお話をお聞きする予定となっています。現在、お住まいの神奈川県相模原地区で子供たちに光合成から生まれる植物・動物連鎖、人類の誕生、原子核の破壊による地球環境戦争、地球人になる練習等について話されています。無人島に生活する16名がそれぞれの持ち場で懸命に仕事をこなし、共同作業と学びを続ける中でも、とりわけ伝馬船で海に出て、無人島に近い浅瀬の岩場に原色鮮やかな熱帯魚たちが泳ぎ、外敵(サメ等の)が来ると一瞬に皮膚の色を変えます。海中に生息する植物もまた、地上では見られない原色の花を咲かせ、あたかも竜宮城を訪れているような美しい姿を見せるとの記述があります。地上の山や平原は私たちの日常の中にありますが、その何倍ものスケールで海は広く、深い現実に気が付くのもこの時です。伊藤先生の「地球人になる練習」も地球という美しい星をいつまでも汚さない努力が必要だということなのでしょう。

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