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研修発表会(寄席囃子) 

2018年03月16日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

国立劇場の小劇場は、座席数が590席だが、花道を作ったので、500席くらいに減った。
今回の研修発表会に、あぜくら会の会員は250人が招待されている。
座席数の約半数という訳だ。
残りの席は、研修生の関係者に割り当てられたのだろう。
全席、自由席なので、早めに行くことにしていた。

開場の三十分前の十時頃に国立劇場へ着いたが、小劇場の前には既に二・三十人が並んでいた。
互いに知り合いの様なので、研修生の関係者かも知れない。
ところが、開場時間になると、私の前に居る人は、五十人ほどに増えていた。
後から来た人が、並んでいる知り合いと挨拶を交わし、そのまま列に加わってしまうのだ。
明らかに、ルール違反である。
挨拶を済ませると列の最後尾に並ぶ、良識ある人は極めて少数派だった。
もっとも、私は五百席中の五十番目だから、余り心配はしなかった。
狙った、最前列中央ブロックの席が確保できた。

研修者は、寄席囃子、歌舞伎俳優、歌舞伎音楽(竹本・鳴物・長唄)と多岐にわたる。
全ての感想を書くと長くなるので、今年度で研修が終了する寄席囃子に絞って述べる。
研修発表は、端唄、清元、落語、長唄と、出番が多かった。
プログラムによると、四人の女性研修者は、三人が落語芸術協会、一人が落語協会に所属することが決まっている。
寄席では、落語の出囃子や受け囃子、そして、芝居噺や音曲噺などは、噺の途中でも色々な楽曲を演奏しなければならない。
また、色物では、地囃子も受け持つ。
だから、研修する演目も多いのである。

落語では、特別出演した桂小文治師が『七段目』を口演した。
日頃の高座とは異なる、熱演だった。
舞台の下手側に、研修生が揃って、顔を見せた。
四人が小文治師の出囃子・あやめ浴衣(長唄)を、三味線で合奏するのは、中々、見事だった。
彼女らは、演奏しないときは、三味線を膝の前に置き、正座していた。
当たり前ではあるが、噺家が幾ら面白いことを云っても、表情を変えることはなかった。
この先、寄席では、下座という下手の奥で、御簾越しに出演者を見ながら演奏する。
今回のように、客に顔を見せて演奏するのは、研修終了発表会だからこそだ。
非常に珍しい光景を、興味深く見せて貰った。
四人の活躍を祈っている。

   *****

写真
3月15日(木)撮影:国立劇場の熊谷桜



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