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吾喰楽家の食卓

色物の魅力 

2018年03月04日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

色物とは、主たる演芸の彩りになる演芸のことを云う。
東京の寄席では、落語を中心に番組を構成するので、それ以外の演芸は色物になる。
ただし、落語よりも歴史が古い講談は、敬意を表して色物には扱わない。
大阪の吉本興業では、漫才が主だから、落語が色物になるらしい。
色物の語源は、看板やポスターで、落語家や講談師の名前を黒字で書くのに対し、その他の芸人は朱書きしたことによる。

国立演芸場は、左右に二十二、前後は十四の席がある。
掛け算をすると、三百八席になるが、四列目までは両端の席がないから、丁度三百席になる。
定席の場合、入場料をシルバー料金で計算すると、満席でも三十九万円にしかならない。
今回のように空いていると、売上は十数万円だ。
出演者としては、割の良くない仕事だが、国立劇場に出演しているという、ステータスは得られる。
丁度、NHKに出演する様なものかも知れない。

国立演芸場の三月上席は、めおと楽団ジキジキ(音曲漫才)、ホームラン(漫才)、ダーク広和(奇術)の三組が色物だった。
私の指定席は、一列十三番である。
定席だと大概は取れるが、名人会や企画公演は難しい。
一列二十二席なので、十一番と十二番が真ん中になる。
私は、右耳が碌に聞こえず、ややマシな左耳に補聴器をしている。
だから、一つだけ上手側にずらすと、左耳が高座の中央に向くので具合が良い。
今回、最前列の中央ブロックは、八席ある中で四席が空いていた。
私の両隣は空いていたので、高座から目立つこと、この上ない。
三組の芸人さんに、軽くではあるが、いじられた。

めおと楽団ジキジキの武蔵野音大出身の奥さんから、「お客さんの中で、埼玉からいらした方は?」と、訊かれた。
手を上げたが、他には僅かしか居なかったようだ。
私に向かって、「手を上げるのは、意外と勇気が要るのですよ」と、云った。
次に、ホームランの勘太郎さんから、「私より先輩ですか?」と、訊かれた。
彼は昭和三十年生まれと云っていたので、頷いた。
最後は、奇術のダーク広和さんだ。
客席に下り、私の右側の男性に、奇術の相手をさせた。
後列の客にも奇術を見せるので、私に向かって、「直ぐに戻りますから」と断った。
戻ったときに、「お待たせしました」と、挨拶があった。

何れにせよ、他愛ないことではある。
シャイな私でも、場数を踏むと平気になる。
むしろ、この程度のことなら、参加意識が高まり、気分は高揚する。
当初、落語のツマ程度に思っていた色物だが、最近は、結構、楽しんでいる。

   *****

写真
3月3日(土)の昼餉(和風パスタ)と夕餉(絶品の東京産金目鯛)



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