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2017年08月25日 外部ブログ記事
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 ロンドン旅行の思い出(観劇)


 この度のロンドン滞在中に、シェークスピア作「十二夜」劇とアンドリュー・ロイド・ウエバー作のミュージカル「スクル・オブ・ロックス」を観劇する機会がありました。毎年のようにロンドンを訪問し、観劇は楽しみの一つです。

 写真はオックスフォード大学図書館の中庭を野外会場にした「十二夜」の上演前の風景です。この日のロンドンのお天気は丁度8月上旬の東京のように気候不順で、幕間直前に激しい夕立があり、家内とミア、そして私は寒さもあり途中で切り上げ、近くのパブで、最後まで観劇した、娘とショーン君を待ちました。ずぶ濡れになった二人は「役者は降り出した雨を咄嗟にネタにとりいれ頑張っていたよ」と報告してくれました。以下は、「十二夜」解説書の一部です。

 「オーシーノがふともらす「甘い切なさ」(sweet pangs)こそがこの劇の味わいだ。シェイクスピア喜劇、いや、世界喜劇の最高傑作である『十二夜』にとって、何よりの収穫は、劇場の枠組みを最大限に利用して、浮世ばなれした恋の国イリリアをのびやかに立ち上げたことだ。この国では、歌も、酒も、恋も、悪戯も、ナルシシズムも、変装も、そして、ときには同性愛まがいの恋慕も、すべてが、なつかしい感覚のなかで許される。
ヴァイオラがセザーリオという「哀れな怪物」(poor monster)になることにより、オーシーノ、オリヴィア、セザーリオ(ヴァイオラ)の完璧な恋の三角関係が生まれ、その完璧さは、同時に、恋の成就が完璧に不可能であるという、悲しく心地よいジレンマを作り出した。シェイクスピアはこのジレンマを巧みに生かし、いくつもの名場面を創造した。2幕4場でヴァイオラが、女性の恋人がいるかのように、また、妹がいるかのようにして語る愛の告白は、天上の音楽のように美しく響く。また、ヴァイオラを男と信じて愛を捧げるオリヴィアの口説きの台詞には、禁断の果実の熟れた匂いがする。
一方、マルヴォリオは、こうした浮世ばなれの世界に、結婚を利用した階級上昇の野心を持ち込み、恋を権力獲得の手段にしようとしていた。そのために、トービーたちからというより、恋の国イリリアそのものから、きついお仕置きを受け、暗い牢獄に隔離されたといえる。同性愛への傾きも、この国に、一種のあやうさをもたらす。オーシーノが男装のヴァイオラを可愛がる気持は、アントーニオのセバスチャンへの愛着に通じる。こうした同性愛的くすぐりは、奇しくも同名の『ヴェニスの商人』のアントーニオを思い出させるし、『ソネット集』で「美青年」への情念を燃やす「私」をも思い起こさせ、シェイクスピアのあやしい趣味の一端をのぞかせている。
こうした多少のはみだしはあるものの、『十二夜』の世界は、なんだか穏やかな花曇りの日がいつまでもつづくような、そんな錯覚を抱かせるなつかしさにあふれている」

 さて、「スクール・オブ・ロックス」は2003年のアメリカ映画。リチャード・リンクレイター監督のコメディをアンドリュー・ロイド・ウエバーがミュージカルに仕立て上げ、米国でも絶賛公演中。今年ロンドンでも好評上演中です。夏休みシーズンでもあり、夕刻からのパフォーマンスにもかかわらず、子供たちが両親と一緒に見に来ており、大変盛り上がっていました。娘が事前にチケットを手配してくれていなければとても見ることは出来なかったと思います。娘の自宅はロンドン郊外のオックスフォードとの中間近くにあり、劇終了と同時にタクシーで駅に向かい、丁度都合よくブリティッシュ・レールに跳び乗り、最短時間でPM11;00頃には自宅までたどりつきました。こんな楽しみ方が出来るのも娘たちが英国在住だからと感謝しています。日々是好日。

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