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吾喰楽家の食卓

もり蕎麦とカツ丼 

2016年11月09日 ナビトモブログ記事
テーマ:生活

国立演芸場や国立劇場は、隼町(はやぶさちょう)にある。
ところが、地下鉄だと、永田町駅もしくは半蔵門駅が近い。
隼町という駅はない。
また、国立劇場の出版物やメールで「三宅坂界隈」などの表現を、よく見かける。
ところが、三宅坂という町名はない。
永田町から堀端を国立劇場へ向かう、なだらかな坂の名前である。
ちなみに、半蔵門もしかり。
江戸城(皇居)にある門の一つで、町名ではない。

この辺りは、町が隣接している。
横に置いた紙を、三つ折りにすると、縦に二本の折り目ができる。
その二本の折り目の中心を、一本の水平線で結ぶ。
水平線の上は隼町で、下が平河町になる。
永田町は右側、麹町は、平河町側に少しはみ出るが、左側だ。
ちなみに、皇居は、紙の上側になる。
永田町駅は右側の丁字、半蔵門駅は左側の丁字の近くだ。
方角は紙の下方向が西、上の皇居が東になる。

落語や歌舞伎を観に行って、時間があると周辺を散策することがある。
永田町と麹町は、あまり歩いていない。
大概は、隼町と平河町だ。
その範囲に、七軒の蕎麦屋を見つけた。
その内、五軒の蕎麦屋へ行き、一軒はお気に入りの店になっている。
一昨日、国立演芸場へ行ったとき、何処で昼餉を食べるか少し迷った。
午前10時半に永田町駅に着いたので、お気に入りの店で食べるのには、一時間待たないといけない。
すでに開いている店もあるが、国立劇場の図書閲覧室で時間を調整して、お気に入りの店へ行くことにした。

開店5分前にその店へ行くと、「昼の部だけ臨時休業」と張り紙があった。
やむを得ず、新規の立ち食いの店へ行くことにした。
朝餉が早かったので、腹が空いていたから、もり蕎麦とカツ丼のセットを頼んだ。
それも、店に置いてあったサービス券を利用して、蕎麦を大盛りにした。
ところが、もり蕎麦の多さを見て、失敗したと思った。
欲張ったように思われるので、残すわけには行かない。
少し考え、一気食いすることにした。
蕎麦を食べてからカツ丼に移ったが、何とか完食できた。

中トリの柳家さん喬は、『そば清』を口演した。
人間を飲み込んだ大蛇(オロチ)が、ある草を食べて消化薬にした。
それを見た清兵衛さんが真似をしたら、自分が融けてしまったという噺である。
その草は、食べたものを消化するのではなく、人間を融かす草だ。
「蕎麦が羽織を着ていた」というオチで、噺は終わった。
蕎麦で満腹になった私が、蕎麦を大食いする噺を聴くとは、何という皮肉か。
初めての店で、蕎麦の量も知らずに、大盛りを頼んだのは失敗だった。
幸い、何の薬も飲まずに済んだ。

   *****

写真
11月7日(月)の昼餉



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