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吾喰楽家の食卓

三代目文蔵襲名披露 

2016年11月08日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

日曜日の早朝、総合テレビの『演芸図鑑』に、橘家文蔵が出演した。
翌日、国立演芸場で、彼の襲名披露公演を観る予定だったので、その偶然に驚いた。
もっとも、三代目を襲名したばかりの話題性がある人だから、今回の出演は不思議ではないことに、直ぐ気が付いた。
真打に昇進すると名前を替えることがあり、それを真打昇進襲名披露公演と云う。
文蔵は15年前に真打に昇進しているので、単なる襲名披露公演だ。

襲名披露公演である上席のチケットは、10月1日から発売が開始された。
入院を控えていたから、行かれるか分からず、中席や名人会は諦めていた。
しかし、口上だけは観たくて、無駄になるのを覚悟して上席のチケットを購入した。
本当は歌舞伎の襲名披露口上を観たいのだが、中々、機会がない。
落語の場合は歌舞伎より頻度が多いので、それを観て我慢している。

その日の主役である昇進や襲名をした本人は、格上の噺家を差し置いてトリを務める。
口上は、くいつき(中入り直後)で遣ることが、慣例のようだ。
師匠や所属組織の幹部が、交替で出席する。
10日間の公演の中で、好きな噺家が多く出演する日を探した。
その結果、林家正雀、柳家さん喬、春風亭一朝という錚々たる噺家が出演する、11月7日の公演を観ることにした。

いよいよ、口上が始まった。
一番下手側に座った、柳家小せんが進行役を務めた。
この日、高座に上がった真打の中では、一番の若手だ。
隣から、順に口上が始まった。
正雀は、文蔵の師匠である二代目文蔵(故人)の弟弟子だ。
ということは、叔父に当たる。
本人を飛ばし、次は一朝の番だ。
彼の師匠は、二代目文蔵の兄弟子である五代目柳朝である。
だから、従兄に当たる。
最後は、さん喬だ。
彼は落語協会の常任理事で、協会を代表して口上に加わっている。

口上は、三本締めでお開きになった。
今まで観た口上のなかで、一番、型通りのものだった。
小せんは、年齢、入門、真打昇進など、全てに於いて先輩の文蔵だから、あまり崩せなかったのだろう。
話は前後するが、一階ロビーに飾られた沢山の花も、国立演芸場の真打昇進披露公演では見られないものだ。
文蔵は、トリで『試し酒』を熱演した。
先月の中席で、柳家花緑の噺を聴いたばかりである。
花緑は「柔」、文蔵は「剛」といったところだ。
比較は難しく、甲乙はつけ難い。
今後、三代目文蔵が、活躍することを期待している。

   *****

11月7日(月)の開演前の一階ロビーと演題



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