60代後半のスローライフ

ニースを襲った衝撃 

2016年07月16日 ナビトモブログ記事
テーマ:テーマ無し

去年の夏というか、9月の初めにニースに行った。

毎年、ニースに行く友人から、どれほど、素晴らしい所かということを、散々、聞かされていたので、
去年は、夫を説き伏せ、ニースに5泊することになった。

滞在したのは、小さなキッチンのついた、アコモデーション。
普段、静かな所に住んでるので、最初の夜は、外の車の音が気になって眠れなかったけど、二泊目からは、大丈夫だった。

フランスは、パリやリールといった町には、訪れたことがあるが、地中海の南フランスの町は、初めてだった。
空港に着き、「コートジボアール」というスタンプが押された時は、なんか、優雅な気持ちになったものだ。

ニースと言うと、お金持ちの人々のリゾートというイメージがあったので、貧乏人の私などは、分不相応な気がしていたのだ。

10年以上前に、フランスのリールに行った時、(ここは、フランスとベルギーの国境の町)
町を歩いたり、電車や地下鉄に乗ってるだけで、怖いと言うイメージがあった。
東洋人というだけで、じろじろ見られて、地下鉄に乗った時などは、視線が、私に集まったので、良い気がしなかった。
リールでは、地下鉄の入り口には、機関銃を持ったPoliceが、何人も、鋭い目つきで、あたりを見回していた。明らかに、この地は、危険な場所という気がした。

小さな安ホテルに宿泊したのだが、夕食を済ませて、ホテルに帰る途中、後ろで、ボキボキ、という音がするので振り返ってみたら、ガラの悪そうな男が、木をへし折って、後ろから、殴りかかろうとしていたところだった。
幸い、何も事をなきを得たが、ホテルに着く前には、ホテルの横で、大勢のガラの悪そうな若者たちが、焚火をしていた。
建物にも、火が移りそうで、「大丈夫なんだろうか?」と不安になったのを覚えてる。

ユーロスターのリールの駅周辺は、ちんぴらが、ウロウロしていて、怖い所だと思ったものだ。
あんなところ、二度と行きたくない。(;´Д`)

パリでは、やはり、地下鉄で、危うくスリにバッグの中の財布を抜き取られる所だった。
パリジェンヌが、大声を出して、助けてくれた。「あなたの横にいる男、スリよ!」と。
フランス語は、わからなかったが、大体、翻訳したら、こんな感じ。

実際、ルーブル美術館では、モナリザの絵の付近で、巧妙に、バッグの中の財布や、キャッシュカードが盗み取られてしまった。
その頃は、まだ、こちらに住んでなくて、観光旅行丸出しの日本人だったから。。。(;^_^A

前置きは長くなったが、ニースは、フランスでも、安全な観光地という印象を強く受けた所だ。
人々に道を聞いても、フランス語でしか返ってこないが、フレンドリーで、親切な人々という感じだった。

ビーチ付近の、今回、テロが起こったプロムナード オングレ、有名なホテル、ネグレスコの前あたりで、事件は起こった。
私たちが、夕食を外で済ませるために、毎晩、歩いた場所だ。
昼間、ギラギラと暑い太陽も沈み、夜になると、心地よい風が吹いて、散歩するには、絶好の時間だった。
夜遅くまで、安全で心地よい海岸沿いを歩く人々も、多かった。

海岸から、離着陸のための飛行機が、1分おきごとに、飛び立ってるのが見える。
夜になっても、快適な暖かい気温で、湿気はなく、勿論、蚊などもいなくて、夜風がなんとも言えず、気持ちのいい場所だった。
イギリスでは、こんな快適な温度の夜を過ごすことは殆どなくて、夜になると寒くて、半袖で、散歩など出来ない。

ホテルネグレスコは、超高級ホテル兼、レストランがあり、毎晩のように、ミュージシャンが、生演奏をしていた。私たちには、とても手の出る金額のメニューではなかったので、いつも素通り。。。(;^_^A
ネグレスコの前を通るたびに、何とも、華やかな、いかにもセレブリティという人々を見かけた。

その反面、その裏通りでは、移民と見られる若い女性が、乳飲み子を抱えて、彼女の乳房を丸出しにして、赤ん坊にお乳をやっていた。そして、四六時中、「お恵みを〜、お恵みを〜」と、演技なのか、本当なのか、道行く人々に、哀れみを乞うていた。

ある日、夫が、その女性にお金を恵んでいた。
遠くからその女性を見ながら、「夜になったら、どこに行くんだろう?あんな乳飲み子を抱えて。」と思ったものだ。
夫に、「あの人、本当に困ってるのかしら?あんなに、胸を、さらけ出して、大丈夫なのかしら?」と聞いた。
ヨーロッパの乞食は、意外と演技をして、お金を稼いでる場合があるからだ。
イタリアに行った時も、そんな乞食を見たことがある。

夫は、「彼女が、ドラッグに、あの金を使おうと、赤ん坊のミルクを買うお金に使おうと、彼女次第だ。」と言った。
確かに、あの乳飲み子を抱えた女の前を通り過ぎる時、無視して通り過ぎる自分に、何故か罪悪感を感じてしまう自分がいた。
だから、夫が、あの女に、いくばくかのお金を与えたとしても、その気持ちは理解できる。
たとえ、それが、演技であって、騙されていたとしても。
華麗なホテルの裏通りでは、こんな乞食が、何人かいた。

ある日、ビーチで出会った年配の男性と話した。
何年か前に、ここに移住してきたという。

「海で泳ぐのが好きなのですか?」と聞くと、「いや、泳がないよ。でも、海は見てるだけでいいんだ。
海のそばに住んでるというだけで、幸せなのさ」と言ってた。

ニースは、北アフリカの移民が、非常に多くて、ケバーブなどのお店が、多かった。
こんなに、イスラム圏からの移民ばかり抱えて、大丈夫かなあと思っていたりもしたが、雰囲気は、ゆったりしていて、まさか、こんな事態になるとは。
今回の事件の犯人も、北アフリカのチュニジア人が、犯人の一人だと聞く。

ニースは、海岸に近い町だから、ボートに乗ってやってくる難民も多いだろう、とは、思っていた。

昔の私のニースのイメージは、高級リゾート地だったが、行ってみて、あまりにも、移民が多くて、
高級リゾート地というイメージが、外れてしまった。

ニースと言えば、フランスの俳優、アランドロンの「太陽がいっぱい」などの映画のイメージがあったのだが、去年、行ってみて、あまりにも、移民が多いので、(フランス人よりも多いかもしれない)時代は、変わったのだと思った。
そして、ニースといえば、カンヌ映画際の開催されるカンヌにも近い町である。
ニースからイタリア方面に行く電車から眺める風景は、やはり、超リッチな人々が持つクルーザなどが、見渡せる。

それにしても、今回の、この事件、とうとう、あの安全そうに見えた、ゆるゆるの雰囲気のニースにも、テロの魔の手がやってきたか?と思った。
これは、何もニースだけがターゲットではなくて、ヨーロッパどこの国にいても、安心はできないということなんだと思い知らされた。

私とて、たまに用事で、ロンドンに出かけることもあるが、ますます、テロのリスクに怯えなければいけなくなったのか、と思うと、残念で仕方ない。

そして、あの美しい地中海の町、ニースが、血の海で、汚されたことを悲しく思う。



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

Re:ニースの事件残念です。

デイジーさん

竹ZOさん

コメント有難うございます。
10年前は、移民の多さを感じられなかったのですね?
去年、ニースに行った時は、レストランや、Take Awayのケバーブショップなど、アラブ系の移民の人々の多さを感じました。

今回の事件で、普通のアラブ系の人々が、右翼による迫害や差別を受けないと良いのですが。

ネグレスコホテルは、毎晩、ライブミュージックで賑わっていましたね。

2016/08/01 04:23:59

ニースの事件残念です。

竹ZOさん

10年以上前ですがネグレスコに泊まったことがあります。
その頃はそれほど移民の多さは感じなかったのですが・・

今回の事件そして世界で起こる悲しいテロ事件に
お悔やみ申し上げたいです。

2016/07/31 14:24:14

PR







上部へ