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パトラッシュが駆ける!
グラミー賞から
2016年02月20日
テーマ:テーマ無し
笑われるかもしれないが、私は小澤征爾と言う音楽家のことを、
ほとんど知らない。
世界に著名な、指揮者であるらしいのだが、
その指揮されたところの、楽曲すら聞いたことがない。
その小澤さんが、グラミー賞とかを受賞したらしい。
その賞が、どんなものなのか、それも知らない。
困ったものだ。
私ほど、音楽に疎い男も、この世に居ないであろう。
「小澤征爾氏グラミー賞を受賞」
私は、このニュースをテレビに見ながら、まったく別のことを考えていた。
岐阜県北部、富山との県境に近い、小さな町のことである。
その町で酒場を営む、女性のことである。
なに、音楽なんか知らなくても、この世は生きて行ける。
私には他に、楽しいことが、たくさんある。
その一つが旅。
そしてもう一つが、それを文章に書くこと。
どうだ。
文句あっか。
と一人ごちつつ、テレビの中の、小澤さんを見ていた。
* * *
八年前の秋、私は旅人として、その町に一夜を過ごした。
泊まった旅館が、夕食を用意出来ないという。
無理もない。
午後四時にもなって、突然、宿を求めるからだ。
夕食なしなら、という条件で、やっと泊めさせてもらったのであった。
こんなことは、珍しくも何ともない。
私の旅は、常に、行き当たりばったりで、旅程なんか、ないに等しいのだから。
宿の近くに、小さな居酒屋を見つけた。
店頭に、食事のメニューが出ていたから、
ここで「飲む」「食う」を、一遍にやってしまおうと思った。
入った途端、一人居た先客が帰り、店には私一人になった。
妙齢の女将さんと、カウンターを挟み、向き合う形になる。
無口な女性であった。
顔を伏せ、注文した料理を、ただひたすら作っている。
和服(と言っても普段着だが)に、白い割烹着を着ている。
うなじに垂れた髪が、ノの字を描くように曲がっていて、
後姿が何とも色っぽい。
「お客さん、どちらから?」
「旅の者です。東京から来ました。古い町が好きなもんで」
やっと話が始まった。
この町を歩き回っているうちに、泊まりたくなったと言った。
町の中を、用水路が貫流している。
豊かな清水が、音もなく流れ、鯉が群れ泳いでいる。
それに沿って、小路があり、白壁の土蔵が幾棟も続いている。
そこを夜の明けに、歩いてみたくなったからだと言った。
この辺から、彼女の口数が多くなった。
町を語り、この町の祭りの、豪壮なることを語り、
やがては、自分の家族のことまで話すようになった。
若いと見えたのだが、実は孫までいるのである。
由美かおるに似ていると言ったら、やだ、私あんなに、
目ぇパッチリしていないです、
それより、田中裕子に似てるって言われることは、あるんですよと言った。
そう言えば、その静淑たる風情において、通じるものがあるかもしれない。
料理が美味い。
「白真弓」という酒もいい。
この町に蔵のある、地酒である。
軽く一杯のつもりが、つい長居になった。
彼女、絵手紙の仲間に加わっている。
見せてと言ったら、奥から出して来て、好きなのを持って行ってくれと言う。
遠慮なく、5枚ほどを選んだ。
赤い大きな柿を描いたのが、特にいい。
それを言ったら、帰り際に、本物の柿を幾つか持たせてくれた。
これもこの町の、特産であるそうだ。
宿に帰り、一風呂浴びた。
いや、ちょいと漬かっただけだ。
この宿の名物の、泥のような湯には、何度でも、この身を沈めたい。
湯から上がり、私はまたもや、その店に向かった。
戸を開けたら、女将さんが驚いている。
「これを」
著書を差し出して言った。
「私の書いた本です」
旅に出る時、私は自著を数冊、リュックに忍ばせている。
旅先で、名刺代わりに差し出すためだ。
もちろん、誰にでもというわけには行かない。
これはという人に、出会った時だけである。
「やだあ、そんなに偉い先生だったの」
彼女、絶句して目を見張った。
その時だけは、田中裕子ではなく、由美かおるの目になった。
「先生なんかじゃない。ただの金物屋ですよー」
それからまた、座り直し、飲み直すことになった。
客はとうとう、私一人であった。
* * *
小澤征爾さん受賞のニュースを見ながら、そんなことを思い出している。
また、あの泥湯に漬かり、あの店に行きたくなっている。
女将さん、私を覚えているだろうか。
行くからには、土産を持って行ってやりたい。
折しも、再出版の話が持ち上がっている。
「これを作りましたので」
新刊を差し出したら、今度は何と言うだろう。
それより何より、その新刊の中に、飛騨古川の旅行記を、
載せてしまう手がある。
もちろん、女将さんも登場させて。
私の連想は、もう止まるところを知らない。
* * *
NHKの朝ドラ、2002年の放映は「さくら」であった。
ハワイから来た、日系四世のヒロイン、エリザベス・さくらが、
飛騨地方の中学校に、英語のALTとして赴任し、
そこで、日本文化とのギャップを感じながら、成長して行く物語だ。
ヒロインの下宿先が、飛騨古川の町。
そのドラマの残影が、やがて私を、古川の旅へ導いたことになる。
そのドラマで、ヒロインの相手役を演じたのが、小澤征悦。
小澤征爾の息子だ。
私の連想は、まことにもって、取りとめがない。
グラミー賞受賞なんか、私にはどうでもいいことで、小澤さんの顔から、
その息子を思い出し、そこから八年前の旅にまで、遡ってしまっている。
思い出した。
宿の名は「古川温泉 田んぼの湯」
その泥のような温泉は、中性低張性冷鉱泉。
源泉かけ流しと書いてあった。
女将の名を久美子。
店の名は、思い出せない。
しかし場所はわかっている。
古川の駅に降り立てば、あとは迷うことなく、辿り着けるだろう。
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火事
彩々さん、
昨夜の火事、テレビのテロップで流れたようですね。
私のところから、4分ほどの、商店街でした。
昨夜は非常線が張られ、近付けないので、今朝行ってみました。
木造二階建ての店舗兼住宅が、3棟ほど全半焼していました。
火事は怖いです。
一瞬のうちに、すべてを失ってしまうのですから。
ストリートビューに、囲碁サロンの看板、映っていますか?
場所もお分かりになったことで、彩々さん、機会がありましたら、是非お立ち寄りください。
そうですね。
古川の町全体が、白黒映画のような印象でした。
私たちは、カラー映画に馴れてしまい、白黒の良さを、ややもすると、忘れています。
機会がありましたら、古川の町へ、どういらしてみて下さい。
2016/02/25 07:12:12
火災で飛んできました
火災現場とは何とか、離れていたようですが
駅近くの火事だということでびっくりしました。
囲碁サロンの場所、初めてストリート・ビューで
拝見しました。
お気に入り登録させていただいているパトさんBlogは、
何故か反映されなくて、いつも出遅れます。(泣)
「古川温泉 たんぼの湯」今頃、拝見しにいって
泥のようなお湯に、ほっこり浸かりながら読ませて
頂いたよう。(´▽`)はぁぁ・・♪
昭和な空気感…懐かしい白黒の映画を見せて
いただいた気分でした。(#^.^#)
2016/02/25 05:50:36
滝川さんファンとしては
マリーさん、
昨夜は出かけておりまして、Resが遅くなりました。
征悦さん、最近見かけませんね。
と言っても、私はテレビをあまり見ないのですが。
滝川さんとの解消も、なんとなく想像出来ます。
彼きっと、個性が強いんだと。
親父さん譲りの、ワンマンなところが、あるのではと思います。
滝川さんのためには、よかったかな・・・と。
以上、あくまで私の推測です。
三冊目の本は、構想の段階で、どうなるか、わかりません。
お金も時間もかかり、結構大変なものですから。
古川の町の絵、いいでしょうね。
また行きたくなっています。
2016/02/21 06:53:27
小澤征悦さん
といえば、お も て な し でお馴染の滝川クリステルさんと同棲していましたが今は解消していますね。結婚も噂されましたけど。
小澤征爾さんは随分と大病をされましたが、今はだいぶ回復しているように見えました。
絵画展で先日見た飛騨古川の絵を携帯の待ち受けにしています。
3冊目の本を持って久美子女将に会いに行くのが楽しみですね。
2016/02/20 17:16:52
歌声を
喜美さん、
立派な旦那さんがおられたのですから、一人旅なんか、なさることはないです。
大船に乗ったつもりで、付いて行かれればよろしかったでしょう。
今は、息子さん、お孫さんとの旅ですね。
これも同じこと、
上げ膳据え膳で、付いて行かれるのがよろしいですよ。
私は、連れて行くことはあっても、誰も連れて行ってはくれません。
仕方なく、一人旅に出ることが、多くなりました。
小澤さん、長野で活動されていたのですね。
そうそう、喜美さんは、音楽にはお詳しいのでした。
一度その、歌声を、聴かせて頂きたく思います。
2016/02/20 14:25:51
小澤さんは、そりゃご存知ですよね
シシーマニアさん、
女性の一人旅は、男に比べ、困難が多いかもしれません。
しかし、外国でなら、シシーマニアさんだって、
一人で行動なさるのでしょ。
国内で、出来ないはずはないのですがね。
いや、その必要はないかもしれませんね。
絶妙のパートナーがいらっしゃるのですから。
私、取り立てて、聞き上手というわけではないのですがね。
たまたま琴線に触れるところが、あったのだと思います。
たまたまです。
元々が、人の好き嫌いの激しい男ですから・・・
2016/02/20 13:46:36
古川よい町
吾喰楽さん、
古川は、静かでよい町ですね。
富山からの方が、むしろ近いかもしれません。
その頃、お知り合いだったなら、古川で落ち合い、一緒に飲むことも出来たのですがね・・・
機会があったら、一緒に行きましょうか?・・・
2016/02/20 13:32:31
薀蓄を
SOTYOKAZEさん、
艶っぽいのもここまで。
その後には、発展しませんでした。
私には、宮崎前議員のような、才覚がないのです。
なみなみ杯は、やりませんでした。
だって私、コップ酒で飲んでいましたから、酌も何も、ないのです。
あの和蝋燭は、よかったですね。
私も紅白を買いました。
仏壇に灯して、そのながーい炎を、楽しんでおりましたっけ。
Oh! SOYOさん、クラシックにもお詳しいんで・・・
今度、その薀蓄を、お聞かせ下さい。
2016/02/20 13:27:19
次の本は
うきふねさん、
連想、空想こそ、文学の原点です。
大いに膨らませて下さい。
(体重はだめですよ)(それに借金も)
彼女に進呈したのは、「金物店」の方です。
当時は、それしか出版してなかったので。
今回、目論んでいるのは、金物店の後継本です。
しかし、店を辞めてしまっているので、
題名が決まりません。
困っています。
何か、良い案はないでしょうかね・・・
あ、それと・・・
完成したら、お送りしますので、購入はしないで下さい。
前回、購入して頂いた、お礼のつもりです。
2016/02/20 13:18:00
面倒
勿論一人旅も無ければ 唯相手について行くだけの 無責任旅行のみです
名物食べてお風呂入りのんびりするだけですから余り覚えていません 頭も悪いし 特にこの頃は小さな頭に80年物の事が覚えられるはずがないと開き直りです 其れでも旅行や皆さんと会食は好きです
小沢さんのこと私は関係ありませんけれどコーラスの先生 毎年長野に行くほどのお弟子さんでした
2016/02/20 11:43:51
グラミー賞はよく知りませんが、
小澤征爾さんは、著名な音楽家ですから、昔から知っています。
古川も、名古屋からは近いので名前は知っていますが、まだ訪れたことはありません。
女性にとっての一人旅は、中々艶っぽいところまでは、発展しませんが。若い頃と違って・・(ちょっと見栄を張ってみました・・)
居酒屋で、一人長居をする、なんていいですねえ。
それにしても師匠は、おそらく無類の聞き上手なのでしょう。
2016/02/20 10:55:37
古川
おはようございます。
古川の街並みが好きで、魚津に居た頃、何回も行きました。
時々、テレビで見かけますが、直ぐに古川だと分かります。
いい街ですね〜
もっとも、私には色っぽい思い出はありません。
2016/02/20 10:26:51
桜の季節に
パトラッシュ師匠 おはようございます。
中々、艶っぽいお話ですね。
色っぽいおかみさんに「なみなみ杯」はしませんでしたか?(笑)
私は親友と三人で、「さくら」が終ったばかりの春に、古川の町を歩きました。
満開の桜と共に、町の風情が目に浮かんで来ます。
例の和ろうそくのお店では、商品購入は一年待ちでした。
私は指揮者であるお父様もクラシックファンなので存じ上げていましたが、息子さんは、あのドラマで初めて知りました。
武骨でシャイで温かい、素敵な役でした。
2016/02/20 09:49:05
連想は素敵
何も文句はございません^^
男性の一人旅も中々によいものですね。
呑み屋のおかみさんとの、何気ないお話も
ちょっと艶っぽいものを感じて素敵でした。
私も想像、妄想、連想すると止まりません。
おかみさんに差し上げたのは、どちらのご本
だったのでしょう。新刊が出るのが楽しみです(^^)
2016/02/20 09:29:39