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吾喰楽家の食卓

第391回 国立名人会 

2015年12月01日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

一泊二日の外出が、中一日空けて、二回続いた。
それまでの半月間は、外出を控え、体力と財力を温存した。
一昨日の国立名人会を以て、無事、スケジュールを消化できた。
二回とも、阿佐ヶ谷の生家に泊まった。
二回とも、翌朝、駅構内の同じ店で弁当を買い、国立劇場と国立演芸場へ向かった。

初回は、鶏そぼろ弁当を、国立劇場の休憩所で食べた。
鶏そぼろは、甘辛く煮てあり、実に美味しかった。
不思議なことに、鶏肉にもかかわらず、牛肉の味がした。
牛肉の煮汁を、使ったのかも知れない。
その店は、牛肉も扱っている。
残念なことに、ご飯が柔らか過ぎて、半殺し状態だった。
その時は、たまたま、炊き損なったのかと思った。

二回目は、ミニ鶏そぼろ丼にした。
四角い弁当が丸い丼に替わり、量は少なくなったが中身は同じだ。
旬の焼き野菜を食べたくなり、ご飯の量を減らした。
量り売りの焼き野菜は、あらかじめ、二種類のカップに入っていた。
大きい方を選んだら、これが実に高かった。
そぼろ丼よりも、はるかに高い。

名人会の日は、少し肌寒いが、良い天気だった。
演芸場の近くにある、公園で昼餉を食べることにした。
相変わらず、ご飯は半殺しだ。
これが、店の味なのだろうか。
焼き野菜は、見た目よりボリュームがある。
南瓜、パプリカ、ブロッコリー、各種根菜など、十二種の野菜が入っていた。
シンプルな味付けなので、野菜そのものの味がし、中々いい。

   *****

『第391回 国立名人会』のチケットは、完売だった。
前座の三遊亭歌実は、この日の中トリである歌之介の二番弟子だという。
お馴染みの『子ほめ』を口演した。
卒なくこなしたが、楷書の芸で味が無い。
柳家我太楼の『幇間腹』、橘家文左衛門の『転宅』と続いた。
これもまた、お馴染みの古典落語だ。
中トリの三遊亭歌之介が口演した、新作落語の『お父さんのハンディ』は、初めて聴いた。
噺だけでなく、歌之介は初めて観る噺家だった。
何とも云えない独特の芸風で、汗で着物の膝を濡らしながら熱演した。
最初から最後まで、笑わせ続けた。

仲入り後、曲芸と落語しかない。
トリは、お目当ての古今亭志ん輔だ。
演題は、落語好きなら大概は知っている、大ネタ『文七元結』だった。
志ん輔は、テレビでも活躍した志ん朝の弟子だ。
『文七元結』は、「素晴らしい」の一言。
知っている噺なのに、聴いていると目頭が熱くなるのは、芸のなせる業なのだろう。
もっとも、演者の志ん輔も、目が潤んでいた。
それでいて、八人ほど居る登場人物を、演じ分けるのだからすごい。
今が、一番油が乗っている時期かも知れない。
四十五分の持ち時間なのに、一時間近い熱演だった。
国立劇場の視聴室で、“ビデオで、もう一度観たい”と思いながら、演芸場を後にした。

   *****

11月29日(日)の昼餉と名人会の演題



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SOYOKAZEさんへ

吾喰楽さん

おはようございます。

演劇少女だったんですね。
まさに、三つ子の魂百までです。

落語は凄いです。
泣きながら女性の声で何か云った直後、べらんめえ調の男性に替わるのですから。

私は、少し強いのなら、少し柔らかい方がいいです。
逆ですね。
また、お粥よりは、雑炊です。

2015/12/01 10:22:41

さん

おはようございます。

落語は、何人もの登場人物を、一人で演じ分けますね。
比べものにならないけれど、高校生の頃、お隣のおばさんに、宝塚を観に連れて行って貰いました。
パンフレットの最後には、台本がついているのです。
帰ると、それを一人で成りきって演じるのが楽しみでした。
そんなことを思い出してしまいました。(笑)
私、ソプラノの娘役の声色から、男役の声色まで、出せるのです。

観客が目を潤ませ、お腹を抱えて笑うような芸は素晴らしいですね。

お弁当のご飯、私は強い分にはよいのですが、柔らか過ぎるご飯は苦手です。
お粥ならよいのですが。

2015/12/01 09:37:04

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