飲んで食べて歩いた旅（３）

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吾喰楽家の食卓

2015年10月26日ナビトモブログ記事
テーマ：生活

SOYOKAZE家に着くと、先に着いていたSAさんが、Pさんと私を迎えてくれた。
歩いているとき、さほどでなかった汗が噴き出した。
顔の汗を拭いていると、すかさずSOさんがビールを出してくれ、先ずは三人で乾杯。
真っ昼間だというのに、誰一人遠慮することなく、ご馳走になった。
勿論、これから温泉へ行くので、車を運転するSOさんは飲まない。

温泉から戻ると、今度は四人で乾杯。
この家に入るとき、先ずはビールということらしい。
ビールを飲みながら、宴席の支度を手伝った。
仕度といっても、下準備は済んでいたから、ほとんど並べるだけのことだ。
直ぐに食卓は整った。
今回、宴席の主役は海鮮寄せ鍋だ。
後に知ったことだが、金沢の料亭から取り寄せた割烹の味だから、その美味しさは想像できるだろう。

美味い酒に、美味い肴、そして友との会話と、三拍子が揃っている。
どんどん、酒は進んだ。
獺祭（清酒）が空き、白州（ウイスキー）に替わった。
飲みすぎに用心し、麦焼酎のロックにした。
ウイスキーも好きだけど、ついつい、ガブ飲みしてしまうので、飲まないようにしている。
この後、記憶の空白がある。
決して、酔いつぶれた訳ではない。
この日は、早朝の三時半に起きた。
日頃は、九時頃に寝ることが多い私だ。
その上、帰らなくてもよい。
眠くなっても、不思議ではない。

翌朝は、すっきりと目が覚めた。
誰も二日酔いしている様子はない。
パンと牛乳とハムサラダの朝餉を、残さず食べた。
皆さん、食欲旺盛だ。
前日のような青空ではないが、歩くのには、かえって好都合かも知れない。
武蔵五日市駅まで、快調に歩いた。

午前十時三十分、昭和記念公園に着いた。
先ずは、お目当てのコスモスの丘へ向かったが、花の盛りはすぎていた。
黄花コスモスが、かろうじて、見頃といった感じだ。
日本庭園の紅葉は、素晴らしかった。
この先、もっと紅くなるだろうが、それでも、見事な紅葉だ。
SAさんが二人連れのご婦人に頼んで、紅葉の前で、四人が揃った写真を撮ってもらった。
そしたら、台湾から来た方だという。
盆栽園もいい。
一時期、サツキ盆栽に夢中になったことを思い出した。
幼稚園に入園する前の息子に、盆栽の頂点の枝を折られてしまった。
以来、盆栽を止めた。

三時間、みっちり歩いた。
それも速足だ。
膝や股関節が悪いのに、これだけ歩けた。
疲れは感じなかったが、股関節に違和感を覚え始めた頃、立川に着いた。
寿司屋で遅い昼餉を食べた。
そして飲んだ。
もう少し経つと、行きつけの居酒屋が開く時間になる。
「行こう！」と誘われたら、断る自信はない。
丁度良い電車があったので、先手必勝ではないが、お開きを提案した。

復路は、立川⇒拝島⇒高麗川⇒小川町⇒鉢形と、乗り換え回数こそ往路と同じだが、距離はかなり短い。
高麗川で、高崎行きの折り返し電車の出発を待っていたときのことだ。
駅員に手を引かれ乗車した目の不自由なご婦人が、前の席に座った。
最近、駅や車内で車椅子や目の不自由な方を見掛けることが多いように感じる。
それだけ、社会のバリアフリー化が進み、障害を持った方が、活動しやすくなったのだろうか。
いや、自身が加齢と共に、この種のことに関心が深くなったのかも知れない。
この二日間、こんなに飲んで、こんなに食べ、こんなに歩けるのだから、まだまだ私は大丈夫だ。

　完

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写真
昭和記念公園（１０月２３日撮影）